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メトロニダゾール軟膏を作ってみた。

※今回の記事で不快な思いをされた方がいたら申し訳ありません。

悪性腫瘍の皮膚病変の悪臭(がん性の悪臭)を抑えるメトロニダゾール軟膏を使うべき機会が来て。
作ることにした。

作ることになって思ったが
院内製剤のうちではかなりハードルが低い部類に入るんじゃないだろうか。

まずメトロニダゾールの試薬が意外と簡単に手に入る。
うちみたいな僻地でも翌日に届く。
メトロニダゾール

5gで3500~4000円くらいなので錠剤にくらべればかなり高額だけど、
錠剤は粉砕して秤量して・・・という作業がかなり面倒。

院内製剤を作るにあたって注意すべき事項としては
有効性・安全性・安定性
患者さんと患者家族の同意
微生物汚染
工程の複雑さ
工程のマンパワー
製剤の費用(製剤の値段と、患者負担か病院の持ち出しか)

などがパッと調べた限りあるようだ。

有効性に関しては
医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/05/s0521-5.html
ここで議題に挙がるということが有効性をある程度証明しているような気がする。

安全性に関しては
メトロニダゾールは経口薬も外用薬(膣錠)もある。
ついでに言えば海外では静注薬もある.

外用としての副作用はフラジール膣錠の添付文書を見るとそんなに多くなさそう。
もし体内に吸収されても副作用はある程度予測できる。

安定性は
ちょっと資料が見つからず不明。

同意
家族の同意は簡単だが患者さんの同意は結構難しい。
メトロニダゾール軟膏を使うべき人が悪臭を自覚しているかどうかが
一番大事になってくる。

自覚していない人にこの製剤を投与する理由を伝えるのが。
非常に悩ましい。
というか使用している施設はどうやって説明しているんだろう・・・。

微生物汚染
普通の外用薬なので無菌レベルまで要求されない。
元々この軟膏を使うべき場所というのが、
嫌気性菌が多数繁殖していると考えられるところなので、
ある程度清潔であれば問題ないと思う。

無菌じゃないところに無菌のものを使う必要はないように、
長期間保存の予製をしなければ常識的な範囲の清潔でいいんじゃないだろうか。

調剤前に手を洗ってさらに手指消毒、使う器具もアルコールで拭く
必要に応じて未滅菌の手袋もつければ十分という感じがする。

工程の複雑さは製剤の均一化に大事そうなので、
できるだけ材料が少なく、工程が簡単で間違えないようなものが良い。

うちの病院では聖路加国際病院のレシピを参考にした。
がんサポート情報センター
http://www.gsic.jp/cancer/cc_25/mts02/02.html

病院薬局製剤の本には親水軟膏とメトロニダゾールだけの製剤も載っていた。

うちでやったのは
メトロニダゾールをプロピレングリコールに溶かして
親水軟膏と混ぜるだけなのでそれほど手間はかからない。
混ざりにくいということもないし、
混ざるとほんの少しだけ軟膏が黄色くなる気がするが
気のせいかもしれない。

マンパワーもまとめて作ればそこまでかからない。
いっそのことメトロニダゾール5gの容器に何回かに分けて
プロピレングリコール15mLを入れて溶かし、
親水軟膏の500gの容器にぶち込んで、
グリグリグリグリかき混ぜればいいんじゃないかと思った。
雑過ぎるかな・・・。

そうすると濃度は若干低下するが
「1%」という濃度に意味があるわけではなく、
0.8%の製剤を使っている医療機関も多いみたいだし。

製剤の費用は
1%メトロニダゾール軟膏 100gで
メトロニダゾール 800円+親水軟膏240円+プロピレングリコール数円で
1000円くらい。
人件費考えなければ1g13.9円のゲーベンよりは安い。

負担の問題はいわゆる「マルメ」病棟だと病院の持ち出し前提なので
あまり気にしなくて良いからこういうときに助かったりする。

今回の記事は色々論理の破綻がありそうな気がするが、
とりあえずメトロニダゾール軟膏の効果が出るといいなぁ。
悪臭の軽減効果は3~5日くらい使うと出てくるようだ。

患者さんに投与した感想を記事にしました。

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tag : 緩和ケア 調剤

任意の量のオピオイドを換算するエクセルファイル

以前の記事で作成したオピオイド換算表は、
決まった値しか表示していなかったので、
任意の量を換算するエクセルファイルを作成。

Googleスプレッドシート版
エクセル形式でダウンロードできます。

黄色のところに各オピオイドの量を入れると換算できます。
トラマールは最大300~400mgなので注意が必要。
オキファスト注は聖隷三方原病院の表を参考にして
モルヒネ注と1:1になるようにしています。

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オピオイド換算表(エクセル形式)(2012/11/12更新)

オピオイドローテーションのときに換算をとっさに聞かれると結構テンパるので、
表を作成。 
聖隷三方原病院のサイトの表を参考にしました。

オピオイドローテーション時の注意事項は
癌疼痛の薬物療法に関するガイドライン
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/pain/2010/chapter02/02_04_01_04.php#s01
※特に不完全な交差耐性のところが参考になります。
また変更後の観察と調整が大切なようです。

OPTIMの記事
http://gankanwa.jp/tools/step/skill/pain/opioid.html
※1日で全部置き換えないで30%~50%ずつ徐々に置き換える。

トラマドール経口、注射、ワンデュロパッチ、フェントステープ、オキファスト注(2012/11/12追加)もいれています。
※オキファスト注は聖隷三方原病院の表に従って
 モルヒネ注と1:1の換算にしています。


エクセル形式の表はこちら
エクセル形式(xlsx)でダウンロードできます
左上のファイル→形式を指定してダウンロード→Excelを選択

古いエクセル形式(xls形式)はこちらからダウンロードできます

任意の量のオピオイドの換算を行いたい場合は新しい記事を御覧ください。

経口トラマール(mg/日)150300







経口モルヒネ(mg/日)30601201802403003605407201080
オキシコンチン(mg/日)204080120160200240360480720
モルヒネ坐薬(mg/日)204080120160200240360480720
経皮ヂュロテップMTパッチ(mg/3日)2.14.28.412.616.82125.237.850.4×
フェントステープ(mg/日)1246810121824×
ワンデュロパッチ(mg/日)0.841.73.456.78.4101520×
静注
皮下注
モルヒネ注(mg/日)15306090120150180270360540
フェンタニル注(mg/日)0.30.61.21.82.433.65.47.210.8
オキファスト注(mg/日)15306090120150180270360540
トラマール注(mg/日)150300








コデイン(mg/日)180









レペタン坐薬(mg/日)0.61.2










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トラムセット配合錠:非がん性の慢性疼痛に使えるトラマドール配合製剤(2011/8/15更新)

2011/2/2

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は1月31日、
新有効成分としてデスフルランを含有する麻酔薬「スープレン吸入麻酔液」や、
トラマドール塩酸塩とアセトアミノフェンを配合した非癌性疼痛治療薬「トラムセット配合錠」など
4品目について審議し、薬事承認を了承した。
いずれも、市販直後調査以外に承認条件はつかなかった。3月にも開かれる、
次回の薬事分科会に報告する見通し。

▽トラムセット配合錠(ヤンセンファーマが製造販売):
トラマドール37・5mgとアセトアミノフェン325mgの新配合剤。
非オピオイド鎮痛剤で、治療困難な非癌性慢性疼痛、
抜歯後の疼痛の鎮痛を効能・効果とする。
類薬にカロナール錠などがある。

【薬食審医薬品第一部会】新薬など4品目を了承‐疼痛治療の配合剤も登場
http://www.yakuji.co.jp/entry21823.html



意外なところから非がん性疼痛に使えるトラマドール(+アセトアミノフェン)製剤が承認。
ヤンセンから出るようだ。

米国で売られているultracetというものと同じじゃないかな。
トラマドール37.5mgとアセトアミノフェン325mgの合剤。

ウルトラセットという名前だと
めちゃめちゃ効きそうなイメージを持たせてくれるが、
なぜか日本ではトラムセット配合錠という普通の名前になっている。

英語の発音だと「アルトレセット」に聞こえるから、
厳密にはウルトラセットではないかもしれないが・・・。

米国の効能は

ULTRACET® is indicated for the short-term (five days or less) management of acute pain.


と、5日以内の急性の疼痛のみの適応

用法用量は

For the short-term (five days or less) management of acute pain,
the recommended dose of ULTRACET® is 2 tablets every 4 to 6 hours
as needed for pain relief up to a maximum of 8 tablets per day.



4~6時間ごとに2錠(トラマドール75mg・アセトアミノフェン650mg)
1日8錠(トラマドール300mg・アセトアミノフェン2600mg)まで

アセトアミノフェンの1日用量が成人4000mgに増えたばかりなので、
アセトアミノフェン2600mgでも超大量というわけではなさそう。

2011/8/15追記
1日にアセトアミノフェン1500mgを超えて長期使用する場合は
重篤な肝障害のおそれがあるため定期的な肝機能検査が必要です。
(添付文書より)
また、1日1000mgを超えて投与するとアスピリン喘息を起こすことがあるそうです。

DIオンライン:アスピリン喘息に使える鎮痛薬は?



トラマールカプセルと同じように米国と同じ用法用量で使えるかもしれない。

In patients with creatinine clearances of less than 30 mL/min,
it is recommended that the dosing interval of ULTRACET® be increased
not to exceed 2 tablets every 12 hours. Dose selection for
an elderly patient should be cautious, in view of
the potential for greater sensitivity to adverse events.


腎機能低い人(CCr30未満)は2錠を12時間ごとということかな。

ちょっと気になるのが錠剤の大きさ。
http://www.lshosp.com.tw/pharmacy/med_directory/med_images/pastil/images/U/Ultracet_tab.jpg

幅17mm、奥行き7mmくらいに見える。

コロネル錠やバルトレックスより少し小さいくらいかな?
高齢者には飲みにくそうだ・・・。

しかし非がん性疼痛に使いやすいオピオイドが出ることは嬉しい。
NSAIDsはPG産生抑制により心臓、腎臓、血管、消化管にあまりよくないので、
患者さん(特に高齢者)に定期投与するのはやっぱり抵抗がある。

トラマールが非がん性疼痛の適応を取るのがあと2~3年かかると聞いていたので、
思わぬところから良いニュースが聞けた。

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トラマール注のワンショット静注は痙攣誘発の危険性

メーカーのトラマールカプセルの勉強会でトラマール注の説明もあった。

持続などの静注は基本的に適応外ながら可能だが
ワンショット静注は痙攣誘発のおそれがあるため、
絶対やらないでくださいとのこと。

トラマールカプセルの最大用量が400mg(高齢者300mg)に制限されているのも、
痙攣の危険性が高まるかららしい。

トラマールの注射と経口は同じ力価で換算してもいいので
トラマール注100mg=トラマール経口100mg
でいい。

経口から換算していってもわかるが、
トラマール注はモルヒネ注の10倍の力価が必要で
トラマール注100mg=モルヒネ注10mg
と換算できる。

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