FC2ブログ

CKD患者へのACE阻害薬、ARB投与の目安

●CKD患者にACE阻害薬やARBを投与すると,
血清クレアチニン値が上昇することがある.

しかし,前値の30%までの上昇か1 mg/dLまでの上昇なら,
薬理効果としてそのまま投与を継続してよい
(例:血清クレアチニン1.34mg/dLの患者なら,
治療後1.74 mg/dLまでの上昇を許容範囲と考える).

ACE阻害薬やARBの開始後は,
血清クレアチニンや血清カリウムを2週間~1か月以内に測定し,
その後もモニターする.

●すでに腎機能が中等度以上に低下したCKDでは
ACE阻害薬やARBは低用量から慎重に開始する.

●血清クレアチニンが前値の30%以上上昇したり,
1 mg/dL以上の上昇がみられる場合には,
薬剤を減量するか中止して,
腎臓専門医にコンサルトする.
血清Kが5.5 mEq/L以上になる場合も同様である(図35).

CKD診療ガイド2009 p67より引用
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf



↓医薬品・薬剤師に関するブログランキングです。クリックしていただけるとやる気が出ます。
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
人気ブログランキングへ

関連記事

テーマ : 薬・医者・病院等
ジャンル : 心と身体

tag : 腎機能と薬物治療 降圧薬

腎障害時のST合剤の投与量

よく「ST合剤 腎障害」で検索される方が来られるので案内。

バクタ配合錠1錠、バクトラミン注1Aはトリメトプリム80mg含有

示した用量はトリメトプリム換算

CCr50以上
6~12時間ごとに分割して5~20mg/kg/day

50>CCr>30
8時間ごとに5~7.5mg/kg

29>CCr>10
12時間ごとに5~10mg/kg

CCr<10または透析時(HEMO、CAPD)
推奨されない
しかし使用する場合は24時間ごとに5~10mg/kg

サンフォードガイド2010より引用



ST合剤は投与後に見かけ上の腎機能低下(クレアチニンの上昇)を起こす。

トリメトプリムは腎細胞からクレアチニンが分泌されるのを阻害する効果があります。
そのため、ST合剤を使うと血清クレアチニン値が上昇することがあります。
これは腎機能の低下を意味していませんので、
そのまま経過を観察してSTを使い続けてもかまいません。

通常、クレアチニンはベースラインより
10%くらいまでの上昇を示すことが多く、
当然STをやめればクレアチニン値は下がります。
本当の意味での腎毒性は、ST合剤で起きることは極めて稀です。
覚えておいて損はありませんよ。

それとは別に、ST合剤を用いると高カリウム血症を起こすことがあります。
これはトリメトプリムが遠位腎細管からのカリウムの排泄を
妨げるからだとされています。
高カリウムを来す他の薬剤、例えばACE阻害薬などと一緒に使うときは要注意ですね。

岩田 健太郎,宮入 烈,抗菌薬の考え方,使い方 ver.2,中外医学社,pp186より引用 一部改変



↓医薬品・薬剤師に関するブログランキングです。クリックしていただけるとやる気が出ます。
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村


関連記事

テーマ : 薬・医者・病院等
ジャンル : 心と身体

tag : 薬の豆知識 腎機能と薬物治療 抗菌薬

低アルブミン血症があると利尿薬の効果が減弱する。

多くの利尿薬がアルブミンと結合し作用しているが、
尿細管腔に漏出したアルブミンと結合し排泄されるため、
低アルブミン血症を認める場合は通常量では不足となる。

佐藤 英一,配合剤を構成する医薬品のプロファイル-2:利尿薬,薬局 2010 Vol.61 No.12 3469-3473より引用



利尿薬のほとんどは蛋白と結合した状態で存在するため、
糸球体濾過をほとんど受けずに尿細管腔へ分泌され、
尿細管腔側から膜状に存在する各種Naトランスポーターに作用する。


中略

腎機能が低下すると、尿細管分泌機能や腎血流量の低下、
低アルブミン血症により、
利尿薬の腎への輸送量が低下し、利尿効果は減弱する。
そのため腎機能低下時に利尿を得るには、
ループ利尿薬の大量投与が効果的である
(フロセミド内服時では最大量200mg程度)

松永 千春(2010).利尿薬の種類と使い方について教えてください。,平田 純正(編),CKDの治療と薬Q&A,じほう,pp101-103



腎臓まで利尿薬を運んでくれるアルブミンが少なくなると、
利尿薬の効果が減弱するということか。

低アルブミン血症はただでさえ浮腫が出るのに
利尿薬も効きにくくなるとは、やっかいな病態だ。

↓医薬品・薬剤師に関するブログランキングです。クリックしていただけるとやる気が出ます。
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

【送料無料】CKDの治療と薬Q&A

【送料無料】CKDの治療と薬Q&A

価格:2,520円(税込、送料別)

関連記事

テーマ : 薬・医者・病院等
ジャンル : 心と身体

tag : 薬の豆知識 利尿薬 雑誌「薬局」 腎機能と薬物治療

体表面積未補正eGFR計算フォーム

前回の記事で体表面積未補正eGFRを計算するエクセルファイルを作成したので、
愛知県腎臓病患者連絡協議会のeGFR計算フォームを参考に
体表面積未補正eGFR計算フォームも作成してみた。
http://ploop70.web.fc2.com/gfr.html
このページをローカルに保存しても動くはず。

↓医薬品・薬剤師に関するブログランキングです。クリックしていただけるとやる気が出ます。
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

tag : 腎機能と薬物治療

薬物投与設計におけるeGFRの有用性 日病薬誌 第46巻2号(179-182)2010

今月の日病薬雑誌にeGFRと腎機能の考え方について掲載されていたのでまとめ
著者は大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 堀尾 勝氏

引用しながら一部改変

本気で腎機能が知りたい場合はイヌリード注を使って
イヌリンクリアランスを測定すると実測のGFRを知ることができる。



図A
実測Ccrと実測GFR比較
24時間蓄尿によるクレアチニンクリアランスは図Aのように実測GFRより20~30%高い値になる。
GFRの換算にはCcrに0.715をかけるとGFRを求めることができる。



クレアチニンは従来Jaffe法という測定法だったが、
現在は酵素法である。
Jaffe法は酵素法に比べて0.2mg/dLほどクレアチニンが高くなる。
この測定法をもとにクレアチニンクリアランスは
GFRに近似した値になっていた。
図B
JeFFe法と酵素法

図Bのように現在の酵素法の測定で求めるCcrは
GFRより高い値を示す。



Cockcroft-Gaultの式は実測GFRより高くなる傾向にあるが、
図Cのように70歳以上ではGFRに近似した値になる
図C
CG式グラフ

ただし日本人の高齢者は図Dのようにcockcroftらのデータより
単位体重あたりのクレアチン排泄が多く、
CG式では高齢者が低く推算される要因となっている

図D
日本の高齢者tCGデータ比較



日本人のGFR推算式より求められるeGFRは18歳以上の成人が対象であり、小児には適用できない。
体表面積補正値が算出される点に特徴があり、
CKDのステージ分類など基準域との比較に有用である。
反対に、薬物投与量設定時のGFR(mL/min)を算出するには
体表面積補正を外す必要があり、症例の体表面積を体重、身長より求め、
再計算を行う。


体表面積=体重(kg)^0.425x身長(cm)^0.725x0.007184

体表面積未補正eGFR=0.806xCr^-1.094x年齢^-0.287x体重^0.425x身長^0.725



図EのようにGFR推算式の正確度は、実測GFRの±30%の範囲に75%の症例が含まれる程度であり、
大きく外れる症例が存在することに注意が必要である。
ただし、それでもcockcroftGaultの式よりは正確である。

図E
実測CcrとeGFR比較



薬剤の添付文書にあるCcr別投与量は、
単位が(mL/min)であり、
eGFRの(mL/min/1.73)とは異なっている。
そのため体表面積未補正のeGFRを用いる必要がある。



今回の記事をまとめてまた新しいことがわかった。
今までeGFRの単位についてよくわかっていなかったが、
添付文書のCcr=推算式で求めたeGFRではなくて。
eGFRを体表面積未補正にした値をもとに投与量を調節する必要があるということだ。

適当だけどcockcroftGault式、eGFR、体表面積未補正eGFRを計算する
エクセルファイルを作ったのでUP
https://spreadsheets.google.com/ccc?key=0AoAQ3_5v0ZNrdEZiaExJOXM2NnB1clVvQlNuSWdMR1E&hl=ja

ネットでできる計算フォームも作成しました。
http://ploop70.web.fc2.com/gfr.html

このような記事は基本的だけど曖昧だった知識を与えてくれるので本当に助かります。

↓医薬品・薬剤師に関するブログランキングです。クリックしていただけるとやる気が出ます。
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
人気ブログランキングへ
関連記事

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

tag : 腎機能と薬物治療 日病薬誌

カウンタ
プロフィール

テツ

Author:テツ
僻地の小規模病院の薬剤師です。

全記事(数)表示
全タイトルを表示
人気記事ランキング
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
タグ

日記・雑記 薬の豆知識 レビュー 薬の要点 ジェネリック医薬品 便利 薬の比較 緩和ケア 気になる記事 降圧薬 腎機能と薬物治療 抗菌薬 薬価 鎮痛薬 利尿薬 雑誌「薬局」 アンケート 漫画 医療用麻薬 ジェネリック医薬品メーカー 調剤 日病薬誌 薬物動態 インターネット 音楽 ステロイド 抗うつ薬 エクセル 脳梗塞治療 喘息・COPD 薬の感想 薬剤管理指導 android 輸液 糖質制限 ハイリスク薬 抗不安薬 糖尿病 ローカルドラッグ 腎機能 ACCESS 新薬 医療安全 お得 簡易懸濁法 医薬品の価格 抗血小板薬・抗凝固薬 ワクチン 院内感染対策 薬の管理 育児 ゲーム 配合変化 点眼薬 名前の由来  病院機能評価 

最新コメント
*iphone アプリ 開発
*太陽光発電 ブログパーツ by Google Fan