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有効循環血漿量と血液量の関係

循環調節

有効循環血漿量とは何か

図において、センサー(圧受容器)は腎の輸入細動脈や心臓、頸動脈等に存在し、
量そのものよりも、圧や伸展刺激を感知している。
つまり、有効循環血漿量とは細胞外液のうち、
センサーの存在する部位を有効に還流する循環の容量(圧)を意味する。

一部の病態では細胞外液量と有効循環血漿量はパラレルな関係にない。
例えば、心不全では主に静脈系の容量の増加で細胞外液量は増大しているが、
心拍出量の低下により腎還流圧や頸動脈圧が低下しているため、
Na排泄量が低下し、さらに細胞外液量を増やす結果となる。

浮腫・胸腹水の治療
■腎不全や多くのネフローゼ症候群と違い、
心不全、肝硬変における腎でのNa貯留は
低下した有効循環血漿量を保つための代償反応である。
このような場合、浮腫・胸腹水の治療は
有効循環血漿量をさらに低下させる可能性がある。
 →例えば、高度心不全や浮腫を伴わない肝硬変など、
  有効循環血漿量が有意に低下している病態では、
  1日500~750mL以上の除水(利尿薬や血液濾過などによる)は
  さらなる有効循環血漿量の低下を起こし、
  循環虚脱や急性腎不全の原因となりうる。

深川雅史,吉田裕明,安田隆(編),レジデントのための腎疾患診療マニュアル,2005,pp107-108から引用一部改変



静脈うっ滞などで細胞外液量は増えているのに
動脈のセンサー部分を流れている血液の圧力や量が保たれない場合がある。

それで有効循環血漿量が少ないとセンサーに判断されて
水やNaを溜め込もうとする。
そしてRAA系の亢進やADH上昇が起こり
さらに心臓の負担が増えるという悪循環。

高度心不全の除水は
血液量はあるけど心臓のポンプ機能が弱すぎて
有効循環血漿量が正常と判断されていないということかな。

浮腫を伴わない肝硬変のところは病態をまだ理解しきれていない。
独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センターの肝硬変のページにも
有効循環血漿量などの話題が出てきているので
参考になるかもしれない。

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tag : 輸液

点滴のモリヘパミン、アミノレバンは漫然と続けない

(アミノレバン、モリヘパミン)どちらの製剤も末梢からの投与中には
BCAAによる糖代謝改善、
インスリン分泌刺激作用にを有するアミノ酸
(アルギニン、リジン、フェニルアラニン)の作用などと
あいまって肝不全患者では低血糖をきたす可能性があるので、
5%濃度以上の糖質液の投与を併用するよう注意する。

また、これらの製剤では肝性脳症の改善のみならず、
エネルギー源の補充、筋タンパクの合成促進と分解抑制、
肝のタンパク質合成促進効果なども得られる。

しかし、本質的には肝性脳症の改善を図る目的の
BCAA優位のインバランスな製剤であり、
低タンパク栄養状態を改善する目的で
栄養輸液として長期間継続的に投与すると、
含硫アミノ酸の異常低下などのアミノ酸欠乏症を起こす可能性がある。

したがって、肝性昏睡から覚醒したらすみやかに、
頚静脈投与から経口的にBCAAを補充
(肝不全用経腸栄養剤、BCAA顆粒製剤)する方法に変更すべきである。

大浜 修,タンパク質とアミノ酸製剤,
薬局 2012 Vol63 No.8(7月号),2684-2693から引用 一部改変



いいのかどうかいまいち判断がつかずに
漫然と投与を続けている例も
あったような気がするのでこれからは気をつけよう。

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tag : 輸液 薬の豆知識

ブドウ糖加リンゲル液(ラクテックDなど)の水分はどのように分布するか

※この記事の内容は自分の考えを記載しており
間違っているかもしれません!


ラクテックD、ヴィーンD、ソルラクトD、ソルアセトDなどのブドウ糖が入っている
乳酸・酢酸リンゲル液は投与したとき
水分がどのように分布するか。

間違っているかもしれないが
自分なりにわかった気がしたので記事にしておく。

体液の模式図


まず血液にラクテックDを投与したとすると、
ブドウ糖はすぐに分解され、張度を形成しない。

しかしリンゲル液の電解質成分は張度を保つため、
結局血管内に入った後の浸透圧は等張液(普通のラクテック)と同じになり、
細胞外液の部分のみに分布する。

最終的にラクテックDを投与してもラクテックを投与したのと
同じ分布になるんじゃないだろうか。
500mL投与したとしたら血管内には125mLで残りが間質液。

細胞外液に似た組成の輸液(リンゲル液)は晶質液といわれて
細胞外液の張度を保つ。
そのため細胞内液と細胞外液の浸透圧差が生じず、
細胞内液には水分が分布しにくい。

細胞外液の中の間質液と血液の張度はほぼ同じであり
それはNaが自由に行き来できるからである。
血管内に血液を引き込んでいる浸透圧は
血管外に移行できないアルブミンによる膠質浸透圧である

最近まで細胞外液というとまず血液を想像してしまって張度と膠質浸透圧が
ごっちゃになってしまっていた。

実際には細胞外液といえば間質液のほうが量が多い。

あと、一般的な浮腫を見ると「水が溜まっている」と思いがちだが、
浮腫の原因は主に間質液であり、細胞外液である。

細胞外液だから「水」ではなくて「塩水が溜まっている」と
考えたほうがいいようだ。

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