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CKD患者へのACE阻害薬、ARB投与の目安

●CKD患者にACE阻害薬やARBを投与すると,
血清クレアチニン値が上昇することがある.

しかし,前値の30%までの上昇か1 mg/dLまでの上昇なら,
薬理効果としてそのまま投与を継続してよい
(例:血清クレアチニン1.34mg/dLの患者なら,
治療後1.74 mg/dLまでの上昇を許容範囲と考える).

ACE阻害薬やARBの開始後は,
血清クレアチニンや血清カリウムを2週間~1か月以内に測定し,
その後もモニターする.

●すでに腎機能が中等度以上に低下したCKDでは
ACE阻害薬やARBは低用量から慎重に開始する.

●血清クレアチニンが前値の30%以上上昇したり,
1 mg/dL以上の上昇がみられる場合には,
薬剤を減量するか中止して,
腎臓専門医にコンサルトする.
血清Kが5.5 mEq/L以上になる場合も同様である(図35).

CKD診療ガイド2009 p67より引用
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf



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tag : 腎機能と薬物治療 降圧薬

脳梗塞急性期に降圧しない理由の一つ スチール現象

日本高血圧ガイドライン2009には脳梗塞急性期に降圧しない(血圧を下げない)理由の一つとして
下記の理由が載っている。

虚血部は血管麻痺の状態にあるために,
血管拡張作用を有する薬物は健常部の血管のみ拡張し,
病巣部の血流は逆に減少する,
いわゆる脳内スチール現象を生ずることがある。
これらのことより,脳血管障害急性期には積極的な降圧治療は原則として行わない



このスチール現象を言葉だけでは人に説明しにくいので、
図を作ってみた。
降圧薬のスチール現象


2次元的で余計わかりにくくなったかもしれない。

とりあえず
脳梗塞急性期に血管拡張薬を投与すると、
正常な脳血管は拡張しやすいが、
虚血部位は拡張しない。

それによって血管拡張した血管(血液が流れやすい血管)にばかり血液が流れるようになって、
虚血部位の血流は余計に減ってしまう。
→脳梗塞悪化の可能性

というのがスチール現象だと思う。


急性期に血圧を下げない理由のもう一つは

高血圧に伴い脳血流自動調節域は右方へシフトしているが340),
脳血管障害急性期には自動調節自体が消失し,
わずかな血圧の下降によっても脳血流は低下する。
すなわち,降圧によって病巣部および
その周辺のペナンブラ領域(血流の回復により機能回復が期待できる可逆性障害の領域)の
局所脳血流はさらに低下し,病巣(梗塞)の増大をきたす可能性がある



というものだが、
まだ自分で完全に理解できているわけではない。

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tag : 脳梗塞治療 降圧薬

脳梗塞発症後の降圧薬開始時期

脳梗塞急性期は基本的に血圧を下げないほうが
機能予後が良いとされている。

下げるとしても

脳梗塞急性期では、収縮期血圧>220mmHgまたは
拡張期血圧>120mmHgの高血圧が持続する場合や、
大動脈解離・急性心筋梗塞・心不全・腎不全などを
合併している場合に限り、慎重な降圧療法が推奨される(グレードC1)。
脳卒中治療ガイドライン2009
http://www.jsts.gr.jp/guideline/007_008.pdf



のような基準で降圧薬が投与される。
心不全、腎不全時の降圧薬の投与の可否もなかなか悩みどころ。

しかし急性期をすぎたらいつ降圧薬を開始していいのかが、
よくわからない。
いったいいつまで急性期でいつから慢性期なのか。
理論的にはペナンブラの状態が良いほうか悪いほうのどちらかに固定されてしまえば
降圧したほうが良いと思うが、判断基準がわからんし・・・。

一般的には脳梗塞発症後一ヶ月経ったら降圧薬を開始する方法を
とっている気がするが根拠はあるのかと外科系の医師に聞かれたので、
ここにも記録しておく。

脳血管障害慢性期(発症1か月以降)では,
降圧最終目標(治療開始1-3か月)は140/90mmHg未満とする。
緩徐な降圧がきわめて重要であり,臨床病型(脳出血,ラクナ梗塞など),
脳主幹動脈狭窄・閉塞の有無,脳循環不全症状の有無に留意する。
両側頸動脈高度狭窄,脳主幹動脈閉塞の場合は,
特に下げすぎに注意する必要がある。
ラクナ梗塞や脳出血では140/90mmHgよりさらに低い降圧目標とする。

日本高血圧ガイドライン2009
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0040.html



ガイドラインに明記してあるので「一ヶ月が一般的なんですよ」と説明しやすい。
いわゆる脳梗塞の慢性期というのは発症一ヶ月以降のことを指しているようだ。

日本高血圧ガイドライン2009
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0040.html
ここの表6-1に

急性期(発症1-2週間以内)


という記載と
注釈で

急性期治療が終了する1-2週後から開始することもある。


と書いてあるので、
絶対1ヶ月待つわけでもなく、
早期に降圧する例があってもいいかもしれない。

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tag : 脳梗塞治療 降圧薬

降圧利尿剤のイメージ(特徴)

※この記事の内容は間違っている可能性があります。

自分の中での降圧利尿剤(主にチアジド・チアジド類似薬)のイメージまとめ

・チアジド類は少量投与でよい

・チアジド類は一定以上増やしても降圧効果はさほど増強せず、副作用が増える。
 (利尿作用と副作用は用量依存性)

・降圧作用はチアジド系が一番強く、利尿作用はループ利尿薬のほうが強い。
 利尿作用が強いから降圧作用が強いというわけではない。

・チアジド系薬の利尿作用はループ利尿薬の1/5しかない。

・心不全の増悪などで利尿作用を期待するならループ利尿薬が第一選択
 ただしループ利尿薬の慢性投与により効かなくなってきたときに
 チアジド系を投与すると効果があることがある。

・夜に尿量が増えるとトイレに行きたくなって睡眠に影響する可能性があるので、
 基本的に朝食後投与が良い。
 ただし利尿効果は分散投与したほうが期待できる。
 だから尿バルーン(フォーリーカテーテル)入ってる患者だと
 朝夕食後や持続静注などで投与してもいい(?)

・降圧機序ははっきりわかっていないらしいが、
 血管のカテコールアミン感受性を低下させて降圧している可能性がある(???)

・他の降圧薬に比べて安い

・インダパミド、クロルタリドンなどのチアジド類似薬は
 降圧作用、心血管イベント抑制、心不全抑制効果が確実にある。

・チアジド類似薬は少なくとも欧米では心血管イベント抑制や心不全抑制に関して、
 他の降圧薬に負けたことがない。
 逆にチアジド系薬(ヒドロクロロチアジド)は負けたことがある

・チアジド系の薬剤(ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド)は
 チアジド類似薬ほどの心血管イベント抑制効果は 望めない可能性がある。
 http://intmed.exblog.jp/8416292/
 ALLHATなどチアジド類似薬のエビデンスをそのままチアジド系利尿薬のエビデンスとして
 考えるのは危険かもしれない。

・配合剤もヒドロクロロチアジドなのであまりよくない・・・かも。

・RAS阻害薬との相性が非常に良い(降圧作用の相乗効果と低カリウム血症予防)。

・チアジド系の副作用は糖代謝、脂質代謝、尿酸排泄に悪影響、低カリウム血症、その他光線過敏など
 短期的に起こる副作用は少ないイメージがある。

・チアジド系はCa排泄阻害するので骨粗鬆症の高齢者に向いているが、
 ループ利尿薬はCa排泄促進するので注意が必要。

・チアジド系薬を重度の腎機能低下患者に用いないほうが良い。
 腎機能低下患者にはループ利尿薬を使用する。

・利尿薬は基本的に腎機能を悪化させる可能性がある。
・抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)は心不全患者の予後改善が期待できる。

・スピロノラクトン(アルダクトンA)は利尿作用がチアジド系よりも弱く
 効果発現が遅い(1~2日で効果発現、3~8日で最大)

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DHP系Ca拮抗薬のイメージ(特徴)

※この記事の内容は間違っている可能性があります。

自分の中でのDHP系Ca拮抗薬(CCB)のイメージまとめ

・狭心症の適応もあるが降圧薬として用いられることが多い。

・降圧作用は血管拡張によるもので、高血圧の原因によらず、
 確実な降圧作用が期待できる。

・ACE阻害薬の先発品やARBより安価。

・臓器血流は保つ。

・心血管イベント予防効果は確実にある(ALLHATでは利尿薬と同程度だった気がする)

・心不全に対しての予防・治療効果はあまり期待できない(?)

・重大な副作用は少ないが、浮腫、歯肉肥厚、便秘、頭痛、頻脈などの副作用がある。

・血管平滑筋選択的に作用するが、下部食道括約筋や腸管の平滑筋にも作用して、
 逆流性食道炎や便秘の原因にもなることがある。

・RA系阻害薬に比べて臓器保護作用は無いか弱い。

・RA系阻害薬+利尿薬(ヒドロクロロチアジド)の併用より、
 RA系阻害薬+Ca拮抗薬(アムロジピン)併用のほうが相性がいいかもしれない。
 http://intmed.exblog.jp/6965149/

・高血圧ガイドライン2009では何故か第一選択としてアムロジピンが、
 名指しで推奨されている。

・ガイドラインで推奨されたりメーカーの宣伝力もあるのか、
 DHP系Ca拮抗薬の中ではアムロジピン(ノルバスク、アムロジピン)のシェアが圧倒的に多い(気がする。)

・アムロジピンは頻脈が少ないと言われるがたまに見る。

・シルニジピン(アテレック)はN型カルシウムチャネル遮断により、
 ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)放出抑制→頻脈にはならない。

・シルニジピンはNE放出抑制によりRAS阻害効果や腎保護作用もあるかもしれない。
 http://intmed.exblog.jp/11297133/
 今は単なるローカルドラッグだが国産の良薬として頑張ってほしいところだ。
 しかしアテレックが処方されている例はほとんど見ない・・・。


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