低ナトリウム血症にラシックスを使うとき

※考えを一旦まとめるための記事です。
間違いがあるかもしれません。


低張性低ナトリウム血症の重症時は3%食塩水の点滴に、
ラシックス(フロセミド)を併用するということがよく成書に載っている。

このときラシックスを併用する理由

ラシックス投与時の尿は低張尿になる。
血液よりもNaが薄い濃度で排泄されるため
尿を排泄すると血液のNa濃度上昇が期待できる
「自由水の排泄」という役割を持つ。

ラシックス(フロセミド)を投与すると
1号液と同じ塩分濃度(約60%の塩分濃度)の尿が排泄される

今井裕一,酸塩基平衡、水・電解質が好きになる,羊土社,2007,pp183より引用 一部改変



ラシックスの役割は「尿の希釈剤」という意味合いでいいのかな。
投与量にもよるが
ラシックスの投与をしても尿量が2倍近くになるようなことは
あまりないため
結果としてNa排泄を抑えられるということと、
高濃度のNaCl輸液との併用により
効率よくNaを上昇させることができるということ。

反対に
低ナトリウムでもなんでもない患者さんへのラシックス投与は
Na排泄を増加させるのか?
単回投与であれば正味の1日Na排泄量は
あまり増加させなかったような気がするが
低ナトリウムとラシックスの関係を思い出す度に
電解質、利尿薬についての勉強をもっとする必要があると感じる。

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tag : 日記・雑記 利尿薬

利尿薬の利尿作用と降圧作用が比例しない理由

ループ利尿薬は利尿作用強いが降圧作用は弱い。
サイアザイド系利尿薬は利尿作用普通で降圧作用が強い。

結果だけ知っていたが
なぜなのかが治療薬ハンドブックに載っていた。

ループ利尿薬
利尿作用が強力だが、効果持続時間が短く
作用発揮終了後は、逆にNa再吸収が更新するため
1日全体としてのNaバランスを負にする作用は
慢性期には弱いことに注意すべきである。

ループ利尿薬はレニン分泌を直接刺激するため、
腎機能正常例では、血圧はむしろ上昇することが多い


腎機能低下例では、作用持続時間が延長し、
負のNaバランスが達成されないため降圧作用が発揮される。

治療薬ハンドブック2012 p317より 一部改変



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tag : 利尿薬 降圧薬 薬の要点

ラシックス(フロセミド)は複数回投与が良い(?)(2012/1/17更新)

2012/1/17
タイトル訂正
「持続投与が良い」という文字を消しました。
複数回投与が良いの後にはてなマークを加えました。

DOSE試験という試験で間欠投与と持続投与で効果に差はないという結果だったようなので、
遅くなりましたが訂正です。
急性心不全における利尿薬フロセミド静脈投与の意義
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr110303.html

この試験のボーラス投与法は間欠投与で12時間ごとなので
「複数回投与が良い」ははてなマークをつけて残しておきます。




以下2010/2/20記載

以前フロセミドの投与法の記事を書いたが、
気になる記述が他の本にあったので引用

フロセミドは効果発現が速いが効果持続時間が短い(6~8時間)ため、
効果減弱後のNa再吸収が亢進し、1日の正味のNa排泄が期待できない。
よって1日に複数回の投与が適切である。
また、フロセミドは腸管吸収率に個人差が強く(10~100%)、
安定した効果が得られにくい。

深川 雅史, 安田 隆, 吉田 裕明(2005)レジデントのための腎疾患診療マニュアル 医学書院 109pp




錠剤内服の最高血中濃度は1~2時間後
半減期20分(0.35時間)
ラシックス錠添付文書とポケット医薬品集2008


また

フロセミドは静注時、効果は数分で現れ、3時間続く。
ポケット医薬品集2008


という記述もあるので注射なら持続投与やのほうがNa排泄効果が期待できそう。

内服なら複数回投与または持続性のオイテンシンが効果を期待できるけど、
吸収量の問題は解決できないな。

アゾセミド(ダイアート)が持続性なので、
バイオアベイラビリティが知りたいところだけど、
IF読んでもバイオアベイラビリティの項目に静注との比率が載っておらず、
わからなかった・・・。

2012/9/8追記
アゾセミドのバイオアベイラビリティは10%かな
http://www.nature.com/clpt/journal/v34/n4/abs/clpt1983197a.html?free=2

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レジデントのための腎疾患診療マニュアル

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tag : 薬の豆知識 利尿薬

低アルブミン血症があると利尿薬の効果が減弱する。

多くの利尿薬がアルブミンと結合し作用しているが、
尿細管腔に漏出したアルブミンと結合し排泄されるため、
低アルブミン血症を認める場合は通常量では不足となる。

佐藤 英一,配合剤を構成する医薬品のプロファイル-2:利尿薬,薬局 2010 Vol.61 No.12 3469-3473より引用



利尿薬のほとんどは蛋白と結合した状態で存在するため、
糸球体濾過をほとんど受けずに尿細管腔へ分泌され、
尿細管腔側から膜状に存在する各種Naトランスポーターに作用する。


中略

腎機能が低下すると、尿細管分泌機能や腎血流量の低下、
低アルブミン血症により、
利尿薬の腎への輸送量が低下し、利尿効果は減弱する。
そのため腎機能低下時に利尿を得るには、
ループ利尿薬の大量投与が効果的である
(フロセミド内服時では最大量200mg程度)

松永 千春(2010).利尿薬の種類と使い方について教えてください。,平田 純正(編),CKDの治療と薬Q&A,じほう,pp101-103



腎臓まで利尿薬を運んでくれるアルブミンが少なくなると、
利尿薬の効果が減弱するということか。

低アルブミン血症はただでさえ浮腫が出るのに
利尿薬も効きにくくなるとは、やっかいな病態だ。

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tag : 薬の豆知識 利尿薬 雑誌「薬局」 腎機能と薬物治療

降圧利尿剤のイメージ(特徴)

※この記事の内容は間違っている可能性があります。

自分の中での降圧利尿剤(主にチアジド・チアジド類似薬)のイメージまとめ

・チアジド類は少量投与でよい

・チアジド類は一定以上増やしても降圧効果はさほど増強せず、副作用が増える。
 (利尿作用と副作用は用量依存性)

・降圧作用はチアジド系が一番強く、利尿作用はループ利尿薬のほうが強い。
 利尿作用が強いから降圧作用が強いというわけではない。

・チアジド系薬の利尿作用はループ利尿薬の1/5しかない。

・心不全の増悪などで利尿作用を期待するならループ利尿薬が第一選択
 ただしループ利尿薬の慢性投与により効かなくなってきたときに
 チアジド系を投与すると効果があることがある。

・夜に尿量が増えるとトイレに行きたくなって睡眠に影響する可能性があるので、
 基本的に朝食後投与が良い。
 ただし利尿効果は分散投与したほうが期待できる。
 だから尿バルーン(フォーリーカテーテル)入ってる患者だと
 朝夕食後や持続静注などで投与してもいい(?)

・降圧機序ははっきりわかっていないらしいが、
 血管のカテコールアミン感受性を低下させて降圧している可能性がある(???)

・他の降圧薬に比べて安い

・インダパミド、クロルタリドンなどのチアジド類似薬は
 降圧作用、心血管イベント抑制、心不全抑制効果が確実にある。

・チアジド類似薬は少なくとも欧米では心血管イベント抑制や心不全抑制に関して、
 他の降圧薬に負けたことがない。
 逆にチアジド系薬(ヒドロクロロチアジド)は負けたことがある

・チアジド系の薬剤(ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド)は
 チアジド類似薬ほどの心血管イベント抑制効果は 望めない可能性がある。
 http://intmed.exblog.jp/8416292/
 ALLHATなどチアジド類似薬のエビデンスをそのままチアジド系利尿薬のエビデンスとして
 考えるのは危険かもしれない。

・配合剤もヒドロクロロチアジドなのであまりよくない・・・かも。

・RAS阻害薬との相性が非常に良い(降圧作用の相乗効果と低カリウム血症予防)。

・チアジド系の副作用は糖代謝、脂質代謝、尿酸排泄に悪影響、低カリウム血症、その他光線過敏など
 短期的に起こる副作用は少ないイメージがある。

・チアジド系はCa排泄阻害するので骨粗鬆症の高齢者に向いているが、
 ループ利尿薬はCa排泄促進するので注意が必要。

・チアジド系薬を重度の腎機能低下患者に用いないほうが良い。
 腎機能低下患者にはループ利尿薬を使用する。

・利尿薬は基本的に腎機能を悪化させる可能性がある。
・抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)は心不全患者の予後改善が期待できる。

・スピロノラクトン(アルダクトンA)は利尿作用がチアジド系よりも弱く
 効果発現が遅い(1~2日で効果発現、3~8日で最大)

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