ペルジピンの禁忌から脳出血や頭蓋内圧亢進が削除

現在のペルジピン注の添付文書

どういう経緯か知らないが2011年6月の添付文書改定で、
ペルジピン(ニカルジピン)は禁忌から

<(1)頭蓋内出血で止血が完成していないと推定される患者
〔出血を促進させる可能性がある。〕
 (2)脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者
〔頭蓋内圧を高めるおそれがある。〕>



上記の文言が削除された。

ただし、警告に

本剤を脳出血急性期の患者及び
脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者に投与する場合には、
緊急対応が可能な医療施設において、
最新の関連ガイドラインを参照しつつ、
血圧等の患者の状態を十分にモニタリングしながら投与すること。



この一文が追加

慎重投与に

(1)脳出血急性期の患者
〔出血を促進させる可能性があるので、
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〕
(2)脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者
〔頭蓋内圧を高めるおそれがあるので、
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〕



この2つが禁忌から移動してきたような感じ。

一応禁忌ではなくなったので、
警告の文言を守れば使用できる。

今回調べて初めて知ったけど、
この薬って山之内製薬開発の国産薬だった。

海外の添付文書には禁忌(CONTRAINDICATIONS)として
高度な大動脈弁狭窄症?(Advanced Aortic Stenosis)しか載っていない。

日本で開発された薬なのにどうしてこんなにずれが生じてしまっているんだろう。


自分の病院ではペルジピン使う頻度はあまりなく、
いざ使うとなって「どのくらいの速度でいけばいいの?」と
聞かれることがある。

ガンマ計算が面倒なので、
50kgなら高血圧緊急症の適応だと0.5γから開始だから、
1時間に0.5γ*60分*50kg=1500μg=1.5mg≒2mg

ペルジピンは1Aが2mgのものを置いているので、
大体50~60kgなら
「1Aを生食か何かに溶かして1時間で落としてください。
血圧さがらなければもっともっと早くしてもいいです。」
という感じで答えている。

かなりアバウトだけど血圧モニタリングして下がれば遅くすればいいので、
このくらいにしているが果たしていいのか悪いのか。

今計算したら50kgの人で時間2mgだと0.66γかな。

持続で行くときは側管から流すので、
原液を1時間2mg(2mL)~スタートで血圧見ながら調節していた。
慢性期中心なので使う例はほとんどないけど・・・。

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tag : 降圧薬

ARBとACE阻害薬の薬価比較

内科開業医のお勉強日記で
高血圧:ARB処方禁止でカナダでは数百ドルの医療費節約・・・日本も是非・・・
というおもしろい記事があったので、
薬価を比較してみる。

まずACE阻害薬とARBの等価換算が必要なんだけど、
これがよくわからなかったので、
日経メディカルの記事を参考にして
ミカルディス40mg(テルミサルタン)=レニベース10mg(エナラプリル)
と仮定する。
ここが間違っていると全てが狂うので間違っていたらコメントください。
ただ、そのままだとACE阻害薬は
日本の適応の用量から倍量まで投与する必要がでてくるのが問題。

とりあえず今回比較するのは
日本で最も処方されているARBのブロプレスと2位のディオバン
ACE阻害薬は(多分)最も処方されているレニベースと
そのジェネリックのレニベーゼ
あと高性能ACE阻害薬と言われている
オドリック(トランドラプリル)とそのジェネリックのトラントーワ
タナトリル(イミダプリル)とそのジェネリックのイミダプリル「トーワ」

等価換算表


薬価比較表


薬価比較のグラフ


換算が正しければ
高血圧ガイドラインへの指摘にあったように
ACE阻害薬とARBの薬価の差はない。
後発薬に変えて初めて薬価の差が大きくなる。
特に低用量だと全然違う。

レニベーゼが圧倒的に安い。

ブロプレス8mgの代わりにレニベーゼ10mgを1年間飲むとしたら、
1日110円安くなるので1年で40,150円

ブロプレス8mgの代わりにイミダプリル10mg「トーワ」を1年間飲むとしたら、
1日53円安くなるので1年で19345円。

個人だとあまりインパクトがないな。

2009年に
ブロプレスは薬価ベースで1500億
ディオバンは1200億円の売上

ACE阻害薬の副作用を30%と多めに見積もって
ブロプレスが30%の450億
残りの70%をレニベーゼにかえたら大体薬価1/4と見なしてみる。
1050億*1/4=約250億
合計700億(1500億との差は800億)

ディオバンの30%=360億
レニベーゼはディオバンの1/3と考えると
70%レニベーゼに変えて
840億*1/3=280億
合計640億(1200億との差は560億)


同様に
ブロプレスとイミダプリル「トーワ」だったら薬価2/3とみなして
70%イミダプリルに変えると
1050億*2/3=700億
合計1150億(1500億との差は350億)

ディオバンとイミダプリル「トーワ」だったら薬価4/5とみなして
840億*4/5=約670億
合計1030億(1200億との差は170億)

基本的に効果だけみればACE阻害薬はARBに負けない!
と少し前まで確信していたけど、

脳卒中治療ガイドライン2009に

ONTARGETを含むACE阻害薬とARBに関するRCTのメタアナリシスによれば25)、脳卒中の発症はARB内服群でACE阻害薬内服群と比べ8%有意に低下した(p=0.036)(Ⅰa)
http://www.jsts.gr.jp/guideline/021_024.pdf


という記載がありました。

詳細は論文を読んでいないのでわかりませんが・・・。

でも基本的にはARB第一選択禁止という内科開業医のお勉強日記さんに賛成。
そしてもし使うとしても心不全にニューロタンじゃなく
ブロプレス使ったほうが良いはず・・・。

ロサルタン vs. カンデサルタン,心不全患者の全死亡1.43倍に
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1101/1101024.html

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tag : 薬の比較 薬価 降圧薬

CKD患者へのACE阻害薬、ARB投与の目安

●CKD患者にACE阻害薬やARBを投与すると,
血清クレアチニン値が上昇することがある.

しかし,前値の30%までの上昇か1 mg/dLまでの上昇なら,
薬理効果としてそのまま投与を継続してよい
(例:血清クレアチニン1.34mg/dLの患者なら,
治療後1.74 mg/dLまでの上昇を許容範囲と考える).

ACE阻害薬やARBの開始後は,
血清クレアチニンや血清カリウムを2週間~1か月以内に測定し,
その後もモニターする.

●すでに腎機能が中等度以上に低下したCKDでは
ACE阻害薬やARBは低用量から慎重に開始する.

●血清クレアチニンが前値の30%以上上昇したり,
1 mg/dL以上の上昇がみられる場合には,
薬剤を減量するか中止して,
腎臓専門医にコンサルトする.
血清Kが5.5 mEq/L以上になる場合も同様である(図35).

CKD診療ガイド2009 p67より引用
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf



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tag : 腎機能と薬物治療 降圧薬

脳梗塞急性期に降圧しない理由の一つ スチール現象

日本高血圧ガイドライン2009には脳梗塞急性期に降圧しない(血圧を下げない)理由の一つとして
下記の理由が載っている。

虚血部は血管麻痺の状態にあるために,
血管拡張作用を有する薬物は健常部の血管のみ拡張し,
病巣部の血流は逆に減少する,
いわゆる脳内スチール現象を生ずることがある。
これらのことより,脳血管障害急性期には積極的な降圧治療は原則として行わない



このスチール現象を言葉だけでは人に説明しにくいので、
図を作ってみた。
降圧薬のスチール現象


2次元的で余計わかりにくくなったかもしれない。

とりあえず
脳梗塞急性期に血管拡張薬を投与すると、
正常な脳血管は拡張しやすいが、
虚血部位は拡張しない。

それによって血管拡張した血管(血液が流れやすい血管)にばかり血液が流れるようになって、
虚血部位の血流は余計に減ってしまう。
→脳梗塞悪化の可能性

というのがスチール現象だと思う。


急性期に血圧を下げない理由のもう一つは

高血圧に伴い脳血流自動調節域は右方へシフトしているが340),
脳血管障害急性期には自動調節自体が消失し,
わずかな血圧の下降によっても脳血流は低下する。
すなわち,降圧によって病巣部および
その周辺のペナンブラ領域(血流の回復により機能回復が期待できる可逆性障害の領域)の
局所脳血流はさらに低下し,病巣(梗塞)の増大をきたす可能性がある



というものだが、
まだ自分で完全に理解できているわけではない。

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tag : 脳梗塞治療 降圧薬

脳梗塞発症後の降圧薬開始時期

脳梗塞急性期は基本的に血圧を下げないほうが
機能予後が良いとされている。

下げるとしても

脳梗塞急性期では、収縮期血圧>220mmHgまたは
拡張期血圧>120mmHgの高血圧が持続する場合や、
大動脈解離・急性心筋梗塞・心不全・腎不全などを
合併している場合に限り、慎重な降圧療法が推奨される(グレードC1)。
脳卒中治療ガイドライン2009
http://www.jsts.gr.jp/guideline/007_008.pdf



のような基準で降圧薬が投与される。
心不全、腎不全時の降圧薬の投与の可否もなかなか悩みどころ。

しかし急性期をすぎたらいつ降圧薬を開始していいのかが、
よくわからない。
いったいいつまで急性期でいつから慢性期なのか。
理論的にはペナンブラの状態が良いほうか悪いほうのどちらかに固定されてしまえば
降圧したほうが良いと思うが、判断基準がわからんし・・・。

一般的には脳梗塞発症後一ヶ月経ったら降圧薬を開始する方法を
とっている気がするが根拠はあるのかと外科系の医師に聞かれたので、
ここにも記録しておく。

脳血管障害慢性期(発症1か月以降)では,
降圧最終目標(治療開始1-3か月)は140/90mmHg未満とする。
緩徐な降圧がきわめて重要であり,臨床病型(脳出血,ラクナ梗塞など),
脳主幹動脈狭窄・閉塞の有無,脳循環不全症状の有無に留意する。
両側頸動脈高度狭窄,脳主幹動脈閉塞の場合は,
特に下げすぎに注意する必要がある。
ラクナ梗塞や脳出血では140/90mmHgよりさらに低い降圧目標とする。

日本高血圧ガイドライン2009
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0040.html



ガイドラインに明記してあるので「一ヶ月が一般的なんですよ」と説明しやすい。
いわゆる脳梗塞の慢性期というのは発症一ヶ月以降のことを指しているようだ。

日本高血圧ガイドライン2009
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0040.html
ここの表6-1に

急性期(発症1-2週間以内)


という記載と
注釈で

急性期治療が終了する1-2週後から開始することもある。


と書いてあるので、
絶対1ヶ月待つわけでもなく、
早期に降圧する例があってもいいかもしれない。

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