αグルコシダーゼ阻害薬の比較

参考
日経DI
3種類のα-GIの特徴と使い分け

薬局2011年4月号
稲澤健志,αグルコシダーゼ阻害薬,薬局 Vol62 No.5,2011

○αグルコシダーゼ阻害薬とDPP-4阻害薬との相互作用
・αグルコシダーゼ阻害薬は下部小腸に到達する糖分を増すため、
 下部小腸から分泌されるインクレチン:GLP-1の分泌を増加させる作用がある。
 そのためDPP-4阻害薬との併用により、
 GLP-1の血中半減期が延長し、相乗効果をもたらすと考えられる

○アカルボース(商品名:グルコバイ)
・ジギタリス製剤の併用で血中濃度下がる可能性あり、注意。(日経DI)
・αグルコシダーゼ阻害薬のなかでアミラーゼ阻害作用を唯一持つ。
(アミラーゼはでんぷんの消化酵素)
 そのため多糖類が分解され、残って大腸内に行く場合があり
 ほかの2剤に比して便秘が多く、ガスの発生が多い傾向がある。
・STOP-NIDDM研究(境界型耐糖能障害患者対象)では、
 糖尿病新規発症の抑制 Lancet,359,(9323),:2072-2077,2002
 高血圧の新規発症の抑制、 JAMA,290(4):486-494,2003
 心血管イベントの減少が示されている。 JAMA,290(4):486-494,2003
・MeRIAという2型糖尿病患者対象のメタ解析で
 心血管イベントの減少が示されている。
 Eur Heart J,25(1):10-16、2004

○ボグリボース(商品名:ベイスン)
・アカルボースより効果が弱い分、副作用も少ない。
・アミラーゼ阻害作用がないので、ガスの発生は少ない。
・便秘よりも下痢傾向が多い。
・VICTORY研究で日本人の境界型耐糖能障害患者に対して
 糖尿病移行減少が認められたため
 糖尿病発症予防に適応あり(2012年1月現在先発のみ?)

○ミグリトール(商品名:セイブル)
・他の2剤と異なりかなり吸収される。
・上部小腸では薬量が多く、下部小腸では少なくなるため、
 食後早期のブドウ糖吸収を強く抑制できる。
・便秘よりも下痢傾向が多く、特に高用量で下痢傾向が出やすい
HbA1c低下効果はαグルコシダーゼ阻害薬のなかで最も強いとされている(日経DI)

日経DIと書いていない項目は
稲澤健志,αグルコシダーゼ阻害薬,薬局 Vol62 No.5,2011 より引用 一部改変



ミグリトール(セイブル)って三和化学が販売しているので国産かと勘違いしていた。
バイエルが作った薬だった。
バイエルが販売していればグルコバイの次に登場した
次世代のαグルコシダーゼ阻害薬という認識で
もっと普及していたような気がするが気のせいかもしれない。

自分はセイブルが一番HbA1c低下効果が強いことを知らなかった。
これは不勉強だった・・・。

自分の地域ではまだまだアカルボースやボグリボースの処方が多い。

結構どうでもいい豆知識だが、
αグルコシダーゼ阻害薬の英語版ウィキペディアに
自然のαグルコシダーゼ阻害するものとして舞茸(Maitake)が紹介されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Alpha-glucosidase_inhibitor


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糖尿病専門医にまかせなさい レビュー

ハードカバーは2006年発売の一般の方や患者さん向けの本。
最近読んだけどもう少し早く読んでおけばよかった。

タイトルは糖尿病専門医とついているが、
糖尿病専門医どころではなく、サイエンス、NEJM、Lansetに論文投稿しているので
糖尿病研究者ともいうべき存在な気がする。

以下レビュー

糖尿病の誤解

・血糖値を下げれば糖尿病は治る
→糖尿病は決して治らない
血糖値が正常化するのはよくあることだが、
糖尿病は決して治っていない。
血糖値が正常化しても何かを食べればまた血糖値が上がって
たちまち糖尿病患者の血糖値になる。

糖尿病の始まりは発症の12年前から空腹時血糖値が上がり始め、
9年前から空腹時血糖値は境界域になる。
境界域の期間が9年間もある。
(糖尿病の一次予防―疫学研究によるアプローチ)

・血糖値を下げれば合併症の心配はない。
→血糖コントロールがよくても20年後には網膜症が13%の人に、
腎症が53%の人に起きる。
ただし、糖尿病は治らないが合併症はこじらせなければ、
適切な治療でちゃんと治すことが出来る。

糖尿病と遺伝
親、兄弟姉妹に糖尿病がいる人で糖尿病になった人 25.6%
親、兄弟姉妹に糖尿病がいない人で糖尿病になった人 14.3%

網膜症は意外と症状はでない。
少しずつ視力が落ちて最後に失明すると思っている人がよくいるが、
それは大きな間違いである。
糖尿病の治療をしていなかった人の中には、
それまで視力に全く問題がなかったのに、突然片方の目が全く見えなくなり
びっくりして眼科に飛び込む、という人も多い。

一部改変



AGEを下げる治療を専門としているようだが
具体的な薬物療法はそこまで詳しく載っていなかった。
「ある種の糖尿病薬、降圧薬、コレステロールを下げる薬」という表現でAGEを下げる薬として
紹介されている。
今は時間がないので調べないけど。

安いし読んでよかったと思える本だった。

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アクトスによる浮腫にはスピロノラクトンかトリアムテレンが効きやすい

浮腫というと利尿作用が最強のループ利尿薬(一般的にフロセミド?)が選ばれがちだが、
アクトスは腎臓のPPARγを活性化させて浮腫を引き起こすので、
フロセミドよりスピロノラクトン(アルダクトンA)かトリアムテレン(トリテレン)がいいらしい。

アクトス(ピオグリタゾン)は腎集合管PPARγの活性を介して、
ENaC(epithelial sodium channel)発現の増加によるNa再吸収亢進が考えられる。

理論的には腎集合管ENaCの特異的阻害薬であるamilorideが最も有力な治療薬としてあげられる。
Karallieddeらは,チアゾリジンにおける体液貯留に対して、種々の利尿薬の効果について検討した。

フロセミド、ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトンのなかで、
最も効果的だったのは、スピロノラクトンであった。

その機序としては、スピロノラクトンによるアルドステロン作用の阻害により、
結果的にはENaCの作用を抑制したものと考えられる。
しかしながらこの研究において、amilorideが検討されておらず、
その点が残念である。

我が国では現在amilorideの使用はできないものの
その類薬のトリアムテレンは使用可能である。

以上の結果より、、チアゾリジンによる浮腫の対処としては、
利尿薬の中でもトリアムテレンとスピロノラクトンが有力な候補として挙げられる。

麻生好正,臨床で役立つチアゾリジンの処方設計と副作用管理2:浮腫のメカニズムとその対応,薬局 2009 Vol60 No2 95-98より引用 一部改変


上記引用中で利尿薬を比較しているという論文はおそらく↓
http://jasn.asnjournals.org/content/17/12/3482.short

トリアムテレンって学校で習ったけど、
今までで1回も投与されている患者を見たことがない気がする・・・。

スピロノラクトンの利尿作用は通常だとループ利尿薬に比べてかなり弱いので、
利尿目的で投与するのはがん性の浮腫や腹水のときぐらいかと思っていた。

アクトスはPPARγを活性化してインスリン抵抗性改善作用を示すので、
浮腫は表裏一体の副作用になっているようだ。

アクトスの浮腫出現は用量依存生で、女性に多く男性に少ない。

アクトスの添付文書には

投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状等がみられた場合には投与中止、
ループ利尿剤(フロセミド等)の投与等適切な処置を行うこと。


と書いてあるのでこのままループ利尿薬だけで治療するのではなく
あスピロノラクトンもかませておきたい。

水分の貯留を確認するのに体重の増減が一番測りやすく、
わかりやすい。

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糖尿病治療薬について

αーグルコシダーゼ阻害薬は食後高血糖を抑えることによって


インスリンの過剰な分泌を抑制し、膵臓のβ細胞の負荷を減少させる。


 


高血糖が長く続くとグルコース解糖系が限界に達し、


グルコースをソルビトールに還元するアルドース還元酵素が活性化する。


そのため細胞内のソルビトールが上昇し、高浸透圧を招く事によって


血管などの細胞が障害される。


 


スキルアップのための服薬指導サブノート 改訂2版より



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