点鼻のステロイドは全身性の副作用が極めて少ない

点鼻ステロイドを投与した際の血中濃度を測定した報告によると、
成人にフルチカゾン200μgまたは400μgを単回鼻腔内投与後
15分、30分、1時間、2時間および4時間の血漿中フルチカゾン濃度を測定すると、
いずれの測定時点においても検出限界(50pg/mL)以下であった。

また、成人に1日400μgを14日間連続鼻腔内投与した際の投与開始日、
投与8日目および14日目の投与後30分、1時間および4時間の
血漿中フルチカゾン濃度を測定すると
いずれの測定時点においても検出限界(50pg/mL)以下であったと報告している。
奥田 稔ほか:耳鼻と臨床,38(Suppl.1),420-430(1992)


コルチゾール分泌に関する報告では、
成人の通年性アレルギー性鼻炎患者にフルチカゾン1日200μgを1年間点鼻し、
血漿コルチゾール値を測定したところ、
プラセボとの差をみとめなかったとの報告がある。
Holm AF, Fokkens WJ, Godthelp T, Mulder PG, Vroom TM, Rijntjes E. A 1-year placebo-controlled study of intranasal ... a safety and biopsy study. Clin Otolaryngol Allied Sci 1998:23:69-73


点鼻薬単独使用においては、
通常用量を適切に使用すれば全身へ影響する可能性は
低いと考えられる。

しかし局所においては鼻出血、不快臭、刺激感、鼻中隔穿孔などの副作用が、
報告されており、鼻粘膜の状態を十分把握しながら投与する必要がある。

本多 秀俊,清野 敏一,異なる剤形で複数のステロイドを併用することはできるの?
 また、その安全性は?,薬局 Vol.62 No.2 2011,253-256 より引用



点鼻のステロイドってアルデシンを小学生か中学生ぐらいのとき使ってたけど、
アレルギー性鼻炎にはめっちゃ効いたなぁ。

アトピーに関しては賛否両論あるようなのでわからないが、
ステロイドの局所投与って基本的に効果を最大限に引き出して
副作用を少なくする良質の治療だという印象がある。

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tag : 雑誌「薬局」 薬の豆知識

吸入ステロイドの投与は子供の身長に影響しない

薬局2月号より引用

いくつかの最終身長を検討した報告では成長の遅延がみられた小児でも
成人になると正常の身長に達すると報告され、
最終的に影響はみられないとしている。
吸入ステロイドと身長

本多 秀俊,清野 敏一,異なる剤形で複数のステロイドを併用することはできるの?
 また、その安全性は?,薬局 Vol.62 No.2 2011,253-256 より引用



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tag : 喘息・COPD 薬の豆知識 雑誌「薬局」 ステロイド

吸入ステロイドの用量と尿中コルチゾール低下率の相関

雑誌「薬局」2月号は小児とステロイドの特集。

興味深い吸入ステロイドと尿中コルチゾール低下率のグラフがあったので引用


ステロイド薬を投与するとグルココルチコイド受容体に作用し、
負のフィードバックが働き副腎皮質からのコルチゾール分泌が低下する。

コルチゾールの分泌低下が続けば最終的には副腎の萎縮をきたす。

そのためコルチゾール分泌の低下は吸入ステロイド薬の全身への影響の指標となっている。

尿中コルチゾール排泄を検討した21個の研究と、
血漿・血清中コルチゾール濃度を測定した13この研究のメタアナリシスを行った報告では、
すべての吸入ステロイド薬で用量依存的にコルチゾール分泌低下を示し、
とくにフルチカゾンでは1日あたりの吸入量が800μgを超えると
副腎機能抑制の可能性が高まるとしている。

吸入ステロイドと尿中コルチゾール低下率

本多 秀俊,清野 敏一,異なる剤形で複数のステロイドを併用することはできるの?
 また、その安全性は?,薬局 Vol.62 No.2 2011,253-256 より引用



このグラフで参考にしている論文はこれかな
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/159/9/941

吸入ステロイドはあんまり詳しくないが、
ベクロメタゾン:キュバール、ブテゾニド:パルミコート、フルチカゾン:フルタイド(アドエア)
で、フルタイドはキュバールやパルミコートの1/2の力価で同等の効果とみていいのかな。

それだと同じ用量のフルチカゾンで他の吸入ステロイドより尿中コルチゾール低下率が
高いのは当然な気がする。

ただ、パルミコートが尿中コルチゾール低下率が若干低いようにも見える。

最近内科開業医のお勉強日記にシクレソニド(オルベスコ)の話題が出ていた。
軽症持続喘息:第1選択はオルベスコで良いじゃないか
http://intmed.exblog.jp/12136519/

手放しで褒めるなんて珍しい。

何にせよ喘息治療には吸入ステロイドが必要不可欠。

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フロリネフとプレドニンの比較(2011/1/18訂正)

起立性低血圧のために適応外使用でフロリネフを持参薬で内服している人がいた。


院内にない薬だったが、結局継続することになった。

ステロイドの鉱質作用によりNaと水貯留作用があるから昇圧作用を発揮するということのようだ。


脳の虚血を防ぐことが目的だったから体液量が増加することによって、


血圧を上げてそれを防ぐというのは利に適っているのか。


 


そのときには院内採用薬のエホチールじゃだめだろうかと考えたけど、


元々頻脈傾向だったのでやめといたほうがいいかなと判断。


他にも昇圧薬はメトリジンやリズミックなどあるけど大体カテコラミン系の作用に近いので、


頻脈を促進してしまうと思っていたら勘違いだった・・・。


メトリジンはα受容体作動薬(血管収縮薬)だったんだなー。


透析に関わったことがないのでよく調べずにいてしまった。


起立性低血圧のWikiも勉強になるというか先に見れば考え方が変わっていただろう。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B7%E7%AB%8B%E6%80%A7%E4%BD%8E%E8%A1%80%E5%9C%A7


低血圧にβ遮断薬ってどういうこっちゃ。よくわからんけどおもしろそうだ。


メルクマニュアルにはピンドロールの名前が載っている。


院内作用薬のビソプロロールも使えたりするのかな。


SNRIはなんとなく頷けるけどこれも頻脈が起きるだろうなー。


 


主題に戻るとフロリネフの添付文書の注意事項に感染症や糖尿病など、


抗炎症作用を期待して使うステロイドの添付文書と同じことが載っている。


どこまでこの辺に気を配ればいいかわからなかったので、


メーカーに聞いてみた。


フルドロコルチゾンとプレドニゾロンの糖質コルチコイド活性の比率は10:3.5~4


らしい。


http://www.apha.jp/top/yakuen/steroid.htm←このページも参考になる。


糖質コルチコイド作用だけで見るとフロリネフの0.1mgはプレドニゾロンの0.04mgに相当するってことかな。

(2011/1/18訂正 「フロリネフの0.1mgはプレドニゾロンの0.25mgに相当する」の間違いでした)

臨床用量ならほとんど気にしなくても大丈夫のような気がする・・・。


フロリネフの主な作用である電解質や浮腫に注意するのが一番必要っぽい。



2011/1/18 訂正
コメントで間違いを指摘していただいて自分もやっと気づきましたが、
糖質コルチコイド活性が10:4なのでフロリネフのほうが2.5倍強い活性を持ちます。
同じ用量だったらプレドニゾロンはフロリネフの2.5倍の量に相当します。

自分の頭の中では
10:4=0.1:x
という式を組み立てて
10x=0.4 x=0.04という計算にしていましたが、
この式自体が根本的に間違っていました。

コメントをくださった方、ありがとうございます!

プレドニソロン(PSL)を5mg/day相当のコルチゾールは副腎から分泌されている。
Wikipedia


上記の記述のように
体内でプレドニゾロン1日5mgが分泌されていると考えると、
フロリネフを飲むことによって1日5.25mg(1.05倍)になっても
ほとんど何も変わらないと思いますので結論の糖質活性を気にしなくていいという文は
変えないでおきます。

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tag : 薬の豆知識 ステロイド 薬の比較

ステロイド外用薬は薄めても効果は変わらない?

前回の記事に引き続き
江藤 隆史(2009.9)日本薬剤師会雑誌、61(9)1121-1123 より引用 一部改変

アンテベート軟膏、リンデロンDP、リンデロンVをワセリンで希釈した場合の
血管反応を見たデータ↓
ステロイド希釈時の血管収縮反応陽性率

リンデロンDPは4倍でもほとんど変化がなく、
リンデロンDPに至っては16倍の希釈でも効果の減弱を認めない。

これより、副作用を軽減するという意味でのステロイドの希釈は
危険な考えかもしれない。
そもそも希釈の理論が正しければストロンゲストクラス1つあれば
希釈によって全てのランクのステロイド外用剤を調整できることになるが、
そういう考え方の皮膚科医は一人もいない。



ステロイドを希釈して作用がどれほど弱まるかという
個人的に疑問に思っていたことに明確な答えをくれた。

リンデロンDPは血管収縮反応をステロイドの効果と見れば、
16分の1の量でいいというのは驚愕。

それほど低い濃度でいいなら今の製剤の濃度はどうやって決まったんだろう・・・。

ただ、クリームは軟膏に比べると希釈により作用が弱まっている。

外用剤、特に軟膏は薄めたから作用が弱まると考えるのは、
やめておいたほうがよさそうだ。

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