同種薬の中でずば抜けてすごい薬って少ないんじゃないか

以前の記事でARBはどれでも対して変わらないんじゃないかと書いた。

その少し前から「同種薬の中でずば抜けてすごい薬なんてあったっけ?」という
思いが頭を巡っている。

構造や作用が似た類似薬で
他を寄せ付けない圧倒的な効果の差を見せる薬。

NSAIDsの中の抗血小板薬としてのアスピリン。
慢性心不全に使用する際のβブロッカーのカルベジロール(アーチスト)とビソプロロール(メインテート)
しばらく考えてそれくらいしか思いつかなかった。

βブロッカーでも慢性心不全ではなく、
急性冠症候群後のβブロッカーならアーチスト限定ではなくなんでもよかったと思う
(ケアネット、Dr香坂の循環器診療最前線)

リピトールは圧倒的な売上高だったが、
リピトールがなくてもクレストール等で同じ効果は期待できるだろう。

同種の薬剤ごとの効果の違いに
それほど頭を悩ませる必要はないのかもしれない。

ただ、相互作用や排泄経路には悩まされることがある。

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プラビックスのジレンマ(2012/10/5)

2012/10/5更新
コメントを頂いてネット検索してみましたが、
プラビックス(クロピドグレル)のCYP多型による影響は
考えられているより少ないかもしれないという記事がありました。

クロピドグレル群においてCYP2C19機能喪失型対立遺伝子を
有する患者における心血管イベント発症率は11.2%/年、
それ以外の患者において10.0%/年でした。

http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2010/10_08_31.html



六号通り診療所所長のブログ
CYP2C19の多型とクロピドグレルの効果について
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-08-24




以下2011/1/20記載
プラビックスを飲んでいても再発した非心原性脳梗塞の患者さんに、
どういう抗血小板療法がいいのか聞かれたが、
難しくてはっきり答えられなかった。

この機会に脳梗塞の慢性期の抗血小板療法(主にプラビックスとアスピリン)まとめ。

アスピリンは慢性期の脳梗塞を減らすが、
本当に「再発予防」できる人は限られている。

 抗血小板薬は脳梗塞の再発を有意に低減することが
欧米人を中心とするデータベースにより示されている(Ⅰa)。
ただし、アスピリンおよびチクロピジンの
number needed to treat(NNT:その治療をある期間続けることによって
1人の患者が恩恵をこうむるために必要な投薬患者数)は
約3年間の観察で26~28に過ぎない。
またシロスタゾールも同じく3 年の観察でNNTは18.7と
降圧薬とほぼ同程度のNNTである。

脳梗塞の再発予防には抗血小板薬の投与のみならず、
高血圧症など他の危険因子の治療も重要である(Ⅰb)。

脳卒中ガイドライン2009より
http://www.jsts.gr.jp/guideline/103_109.pdf



脳梗塞が起きた患者26人を低容量アスピリン3年間投与して、
再発予防できるのは1人。
残り25人は投与していても再発する。

脳梗塞をおこした患者100人いたら何もしなければ22人発症
低容量アスピリン投与でそれが18人に抑えられるくらいの効果。

プラビックスはアスピリンと比較すると
約2年で心血管イベント(脳梗塞、心筋梗塞、血管死)が
プラビックス:5.32%
アスピリン:5.83%

相対リスク減少8.7%

抗血栓療法トライアル CAPRIE試験 1996
http://www.ebm-library.jp/att/detail/60242.html



ハイリスク者に限ればもう少し効果がよくなるらしいが、
それでも予防効果はアスピリンより少しだけ高いくらいか?

On-treatment解析による相対リスク低下率は9.4%、
NNTは196人/年であった
[実際の臨床例では絶対リスクがより高いことなどexternal validityを勘案すると、
NNTは70人/年となる(CAPRIE Actual Practice Rates Analysis Study Group)]。

脳梗塞既往例のみについてみると、
クロピドグレル群の虚血性脳卒中、心筋梗塞または血管死の発生の
相対リスク低下率は7.3%(p=0.26)、
脳卒中発生の相対リスク低下率は8%(p=0.28)であった。


脳卒中ガイドライン009
http://www.jsts.gr.jp/guideline/103_109.pdf



NNTが200人程度だと、
「アスピリンからプラビックスに変えたことで発症しなかった人」は
1年で1/200となかなかコストパフォーマンスが悪く見える。

脳梗塞既往のみだとアスピリンと有意差がない模様・・・。

また症候性動脈硬化性疾患(虚血性脳卒中あるいは心筋梗塞)の既往を有する
ハイリスク例における虚血性脳卒中、心筋梗塞または血管死の発生率(3年間)は、
クロピドグレル群20.4%、アスピリン群23.8%。
クロピドグレル群の相対リスク低下率は14.9%であった(95%CI 0.2~7.0%)
(p=0.045)(NNTは3年の観察で29。

但しこの研究の対象には日本人は含まれていない。

脳卒中ガイドライン2009より



ハイリスクなほどプラビックスが有効になると考えて良さそう。

副作用(出血イベント)は少しプラビックスのほうが少ない。
ただしこれはアスピリン325mgとプラビックスの比較。

[消化管出血:0.49% vs. 0.71%(p=0.05)](Ⅰb)。
脳卒中ガイドライン2009より



プラビックスはアスピリンを「はるかに上回る」効果はなさそうだという印象。
副作用も日本でのアスピリン用量をかなり超えている用量なので、
アスピリン100mgだったら有意差つかないんじゃないだろうか。

ただ、MRさんは「アスピリンよりはるかにいい薬です」と勉強会で言って、
医師も鵜呑みにしている感がある。

相対リスクじゃなくて絶対リスク低下とNNTを教えてくれと質問しても、
そのMRさんは資料がなくわからなかった模様。

そして一番心配なのがCYP多型のこと
内科開業医のお勉強日記:CYP多形型とClopidogrel(プラビックス)の治療効果
http://intmed.exblog.jp/7839512/

CYP2C19の機能が低い人(Poor Metabolizer)は
クロピドグレルが活性代謝物になれず
明らかにイベント抑制効果が劣るようだ。

そして日本人にはPMの人が20%存在する。

FDAの文書によると,クロピドグレルは肝臓のCYP2C19を介して
活性代謝産物に変化することからPM保有者の場合,
抗血小板作用が十分に得られず,心臓病や脳卒中,
心血管死の予防効果が減少する恐れがあるという。


同遺伝子のPMを保有する人の割合は人種により異なるが2~14%といい,
日本では20%程度存在するとも言われている。

同遺伝子の*2から*8のアレルのうち2つを有する場合にPMと診断される
。FDAが示したデータによると,
最も多く見られる多型は*2と*3でPMを有する白人の85%,
アジア人の99%にこれらのアレルが存在するという。

米FDAがCYP2C19代謝活性欠損者に対するクロピドグレルの安全性情報
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1003/1003048.html



MRさんは連続投与していれば徐々に効いてくるというようなことを言っていたが、
何を根拠に言っていたのかは不明

プラビックス服用者の脳梗塞再発時に急性期の再発予防薬として
脳卒中ガイドライン2009で推奨されているのは、
アスピリンのみなのでとりあえずアスピリンを投与するが、

プラビックスを信じきれないので当分併用したほうがいいのか、
プラビックスが効いていても発症した人なのか
プラビックスが効いていないから発症したのか

どう判断したらいいのかわからん。

薬価が高いのも問題
プラビックス275.8円:バイアスピリン5.8円
プラビックスの1日薬価はバイアスピリン47日分

アスピリンとプラビックスの併用は出血イベントが増えるらしく、
あんまり長期的に使いたくない。

プレタール(シロスタゾール)も脳梗塞再発予防効果があるが、
頻脈による心負荷増大が気になるし、
ただでさえ高齢者は心不全が多い。
βブロッカーで調節しながら投与すればいいのだろうか。

もし患者さんに心不全がなく徐脈だったら使いやすいから、
プラビックスとプレタール併用が再発予防「だけ」考えれば良さそうだが、
出血イベントのリスク上昇がどれくらいかわからないのでそれも不安。

というのが最近の悩みになっている。

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tag : 薬の要点 薬の比較 脳梗塞治療

辛夷清肺湯のメーカーによる違い

漢方薬は同じ名前でもメーカーによって配合や総量が違う。

今回は104番の辛夷清肺湯で比べてみる。
なぜこの漢方なのかというと
慢性副鼻腔炎で自分が飲んでいるため。
自分はなんとなくクラシエのものを服用している。
クラシエのみ1日2回ですむように3.75gの包装がある。(自分は2.5gを飲んでいる)

量の単位はグラム

ツムラクラシエオースギコタロー
シンイ2322
セッコウ5655
バクモンドウ5655
オウゴン3333
サンシシ31.533
チモ3333
ビャクゴウ3333
ビワヨウ2122
ショウマ11.511
1日総量7.57.51212
エキス量4.54.36.37.5
1日薬価127.5円100.5円92.4円106.8円



こうしてみるとクラシエ以外の配合比は一緒だった。

一日総量とエキス量が右側2つは多い。

量の差が何を意味しているのかはわからんけど
1回4gを1日3回というのはかなり多いという感じがする。
その分効くなら飲んでみたいが
卸に注文すれば翌日に届くくらいには流通してるんだろうか。
クラシエ辛夷清肺湯も2.5gを1日2回(朝は食後、夕は食前)という。
中途半端な飲み方をしているので 効いているのか効いていないのかいまいちわからない

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tag : 薬の比較

薬価に基づくCa拮抗薬の換算 薬価比較

薬価に基づいた換算ですので、
実際の降圧効果とは異なる可能性があります


今回の記事を思いついたきっかけ
旭川の薬剤師道場ブログさん
カルスロットの20mgはアムロジピンの何mgと同等の降圧効果?
http://chuopharm.dtiblog.com/blog-entry-484.html

換算表


1234
ノルバスク2.557.510
アダラートCR204060
カルブロック816

コニール2468
アテレック5101520

薬価比較

1234
ノルバスク35.364.9100.297.4
GEノルバスク(トーワ)25.847.773.595.4
アダラートCR37.770.7108.4
GEアダラートCR19.736.656.3
カルブロック39.770.6

コニール34.260.194.3124
GEコニール(サワイ)20.537.257.768.3
アテレック36.666.6103.2133.2
GEアテレック(サワイ)25.54873.596


ノルバスク10mgが結構安い。
ノルバスク5mg+2.5mgより安く、
アムロジピン「トーワ」5mg*2と一緒くらいだった。

グラフ


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tag : 薬の比較 薬価

Ca拮抗薬の比較

※詳しく論文を読んでいませんが
おそらく小規模な研究が多いため、内容の解釈にご注意ください。


薬局4月号は血圧・血糖・脂質マネジメントがテーマだった。

DHP系Ca拮抗薬について記事があったのでまとめ

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は
L型カルシウムチャネルをブロックするが
T型、N型をブロックする作用がある薬剤がある。

ニフェジピン(アダラート)→L型のみ
アムロジピン(ノルバスク)→主にL型
エホニジピン(ランデル)、ニルバジピン(ニバジール)、アゼルニジピン(カルブロック
→L/T型
ベニジピン(コニール)→L/T/N型
シルニジピン→L,N型

N型Caチャネルを遮断すると
交感神経終末からのノルアドレナリン(NA)の分泌を、抑制する。
ノルアドレナリン(NA)の分泌を抑制することで、
血管収縮(血管平滑筋の収縮)を抑制し、
また、心収縮力の増加や、
心拍数の増加を、抑制する(ストレス性昇圧を抑制し、降圧作用を示す)。
http://hobab.fc2web.com/sub4-channel.htm




L型とL/T型は腎臓の微小血管への作用が異なることが知られており、
L型は主に糸球体の輸入動脈を拡張し、L/T型は輸入動脈と輸出動脈両者を拡張する。


L/T型Ca拮抗薬は糸球体高血圧を改善し、
抗炎症作用などの非血行動態機序を介した腎保護作用を有することも知られている。
Keio J Med 2010 Sep; 59(3):84-95.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20881449


L/T/N型
ベニジピン(コニール)


ベニジピンはL型CCBの代表であるアムロジピンと比較すると
高血圧合併のアルブミン尿を有する早期-中等度CKD患者において降圧は同程度だが
アルブミン減少、尿中アルドステロン値低下、尿中Na/K比低下が有意であることが
報告されている
Abe M et al,Hypertens Res ,34(2):268-273,2011

異型狭心症にたいして、最近ベニジピン、アムロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼムの4剤比較の
メタ解析ではベニジピンがほかの3群よりも有意に予後が良いことが報告されている。
Nishigaki K et al、:Circ J,74(9)1943-1950,2010

L/T型
アゼルニジピン(カルブロック)


臓器保護作用、抗炎症作用が注目されている。
佐賀大学のグループは、
以前からアゼルニジピンを高血圧患者にアゼルニジピンを
4週間投与するだけで
炎症マーカー、酸化ストレスマーカーが低下し、
さらに細胞培養の系でも正常の人の単核球にアゼルニジピンを付加すると
炎症性サイトカインの酸性が低下することを報告している。
Komoda T et al:Clin Exp Hypertens,32(2):121-128,2010

ARBを既に投与中の血圧管理不良高血圧合併早期CKD患者にアムロジピン、
アゼルニジピンを投与し、血中AGE(終末糖化産物)への影響を検討した。
アムロジピン投与6ヶ月後には血中AGE値は全く変動しないが、
アゼルニジピン投与6ヶ月後は有意に低下した。
AGEは動脈硬化進展に関与するので、
このことによりアゼルニジピンがCKD患者の心・血管イベント抑制に繋がる可能性が示唆された。
Nakamura et al:Am J Med Sci,339(2):157-163,2010

エホニジピン(ランデル)
高血圧と腎症を合併する糖尿病患者にエホニジピン、アムロジピンを投与すると、
腎機能、酸化ストレス、血管効果に関してエホニジピンがアムロジピンよりも
有意に抑制することや、高齢者高血圧合併CKD患者へのエホニジピン投与は
有意な腎機能改善+心・血管イベントを抑制することが報告されている。
Sasaki H et al:J atheroscler Thromb,16(5):568-575,2009
Hayashi K et al:Hypertens Res,33(11):1211-1220,2010


L/N型
シルニジピン(アテレック、シナロング)


多量の蛋白尿を有する高血圧患者にシルニジピン、アムロジピンを投与し
24時間蓄尿による蛋白尿の変化を検討している。
48週間後の比較では、
シルニジピンはアムロジピンよりも有意に蛋白尿を抑制した。
Miwa Y et al:Clin Exp Hypertens,32(6):400-405,2010



アムロジピン以外のCCB
ベニジピン=コニール(協和発酵キリン)
エホニジピン=ランデル(日産化学とゼリア新薬)
アゼルニジピン=カルブロック(宇部興産と三共)
シルニジピン=アテレック(味の素)

調べてみたら、どれも国産だった。
だから大規模臨床試験がないのかもしれない。

ベニジピンなんて薬理作用だけ見たら相当良さそうに見えるが
薬理作用と臨床効果は乖離していることがあるので鵜呑みにはできない。

なんと言ってもノルバスクの絶大なシェアがあるので、
あまりこれらの薬が処方されている例を見ない。
アムロジピンは降圧効果、持続時間、脳卒中予防が確実だし相互作用が比較的少なく、
使いやすい薬剤ではある。
カルブロックは相互作用が多くて若干使いづらいかもしれない。

コニールやアテレックは相互作用もさほど多くなく、
ジェネリックも発売されているので、
特に腎障害の患者さんには選択してもいいような感じがしてきた。

ランデルはいいかもしれないが
シェアがかなり少なそう・・・。

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