サイアザイド系利尿薬は重篤な腎障害に単独投与しないほうがよい(2012/11/15更新)

2012/11/15追記

CKD診療ガイド2012(PDF)
http://www.jsn.or.jp/guideline/pdf/CKDguide2012.pdf

CKD ステージ G1~G3 におけるサイアザイド系利尿薬の併用は,
尿蛋白減少効果を増強する.
ただし,併用する場合には
eGFR の低下に十分注意する必要がある.
CKD ステージ G4~G5 において長時間作用型
ループ利尿薬併用時には,効果不十分な場合には
長時間作用型ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬の
両者の併用も認められるが,eGFR の低下や
低 K 血症には十分注意する必要がある.

67ページより引用



長時間作用型ループ利尿薬併用なら重度腎障害時も投与は可能のようです。




以下2010/1/16記載

チアジド系はcre1.5以上の患者に禁忌
(糸球体濾過をさらに低下→悪化
GFR30mL/min以下は無効
蓄積による副作用も増強


龍原 徹(2009)ポケット医薬品集2009 白文舎 325ppより


GFR15~20mL/min以下では効果が期待できない
治る.com フルイトランの項目より



フルイトランはCcr10未満は禁忌
CKD診療ガイド第1版より



禁忌
1. 無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]
2. 急性腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある]
フルイトラン添付文書より



以上より添付文書には明確に書いていないが、
重篤な腎機能障害では効果がなく、副作用が増え、腎機能を悪化させてしまう恐れがあるようだ。

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tag : 腎機能と薬物治療 利尿薬

クレメジンの効果(2012/11/14更新)

2012/11/14 追記

新たな外国の臨床研究で
クレメジンは偽薬との比較で「透析・腎移植・sCr倍化時間」を
遅らせなかった(有益性はなかった)という発表があったようです。

クレメジンCKD進行抑制効果無し
内科開業医のお勉強日記
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/11/blog-post_5.html

2011/1/15

腎機能が悪い患者さんに「とりあえず」的な感じで
クレメジンが処方されることがあるが、
値段も安くないし、食間投与なので1日の薬の服用回数が増える。

そして近くの腎臓内科のクリニックで
処方されている患者さんをあまり見ないので
どのくらい効果があるのか気になっていた。

クレメジンを飲んだことはないが見かけはざらざらした砂のような薬。
見るからに飲みにくそうで1回量も多い。

実際患者さんからも飲みたくないという声が多い。
メーカーに相談すると飲み方についてのリーフレットをもらえるが、
それほど特殊な方法ではなくオブラートを使うなどの内容だった気がする。

2011/9/24
クレメジンの飲み方について
新しい記事に書きました。



日本でCAP-KDという臨床研究が行われており、
一昨年結果が出ている。
http://www.cap-kd.jp/CAP-KD2.html

対象患者はCKDステージ3~5
既存治療(ARB、ACE阻害薬など)を投与しながら
56週間クレメジンを投与する患者としない患者を比較して
透析導入、腎移植、死亡、血清Crの2倍化、
または、血清Crの6.0 mg/dl 到達のいずれか(複合エンドポイント)がおきるか。
を確認した試験。

結果は

複合エンドポイント到達までの時間について
両群間に有意差は認められなかった(p=0.962、log rank 検定)。
クレメジンエンドポイント

ただし、クレメジン群で優位にeGFR低下が抑えられた。

CAP-KDeGFR

CAP-KD試験のページ
http://www.cap-kd.jp/CAP-KD2.htmlより引用



CAP-KDサイトの考察として

差が認められなかった理由のひとつとして、
エンドポイント到達数が少なかった
(計画時:既存治療群35%~50%、クレメジン群15%~20%、試験結果:両群とも17%~18%) ことがある。
これは試験計画時の想定よりも軽症例が多く、
また、腎不全進行速度が想定よりも緩徐であったためと考えられた。



結局エンドポイントの設定が厳しすぎる内容だったから、
そこに到達する前に試験終了が来てしまったということかな。

eGFRの低下が抑えられているので
試験機関を長くすれば良い結果が得られたのかもしれない。
eGFRの低下はグラフを見た感じだと

56週間の間
クレメジン投与で10%低下
投与しないと15%低下

これくらいに見える。

なかなか微妙な値。
クレメジン投与で
腎機能低下を抑えられる可能性hあるかもしれない。
現段階ではそれが心血管イベント抑制や
透析導入の遅延につながるかは不明だけど・・・。

クレメジン細粒を56週間飲むとしたら薬価は
薬価*1日量*1週間*56週間で
117.2*6*7*56=275,654円
3割負担で82,696円

決して安い値段ではないな。
1日量ではアリセプト5mg(427.5円)より高いことに初めて気づいた。

2011/5/28 追記

血液透析の場合週3回で年間500万円もの費用がかかるらしい。
もしクレメジンが透析導入を数週間~数ヶ月でも遅らせることができれば、
費用に見合った効果があるといえるかもしれない。


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tag : 薬の豆知識 腎機能と薬物治療

腎排泄ではないのに重篤な腎障害時減量の必要な薬物

薬効商品名成分名尿中排泄率ESKDの
クリアランス
ESKDの用量
抗うつ薬サインバルタデュロキセチン0-0.62禁忌
吐き気止めプリンペランメトクロプラミド20~30%-0.661/4に減量
抗凝固薬ワーファリンワルファリン2%以下-0.5禁忌
抗アレルギー薬アレグラフェキソフェナジン0.11-0.651/4~1/3に減量
スタチンクレストールロスバスタチン0.1-0.671/4に減量
抗菌薬ルリッドロキシスロマイシン7.5~10%-0.421/2に減量
抗菌薬エリスロシンエリスロマイシン12~15%-0.311/2~3/4に減量
抗ウイルス剤イントロンA等インターフェロンα不明腎代謝1/5に減量
抗癌剤エンドキサンシクロホスファミド5~25%-0.31/2~3/4に減量
オピオイド色々モルヒネ2~6%
M-6G 5%
-0.41/2に減量

ESKD=end-stage kidney disease≒重篤な腎不全(?)

平田純生,門脇大介,成田勇樹,CKD患者で蓄積しやすい薬剤使用の留意点
薬局 2012 Vol.63 No.10 3061-3066から引用 一部改変

あとはアセトアミノフェンも腎障害時に半減期が伸びる薬物だったはず。

ワーファリンは添付文書上は重篤な腎障害に禁忌だが
辞めるわけにもいかないので
PT-INR測定しながら投与してる医師がほとんどじゃないだろうか。

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腎不全で活性代謝物が蓄積する薬物一覧

商品名成分名活性代謝物の作用
リスモダンジソピラミド強力な抗コリン作用
アミサリンプロカインアミド抗不整脈作用の増強
オイグルコン
ダオニール
グリベンクラミド血糖降下作用の増強
スターシス
ファスティック
ナテグリニド血糖降下作用の増強
色々モルヒネ傾眠・鎮静作用の増強
色々コデイン傾眠・鎮静作用の増強
リスパダールリスペリドン抗精神病作用の増強
ドルミカムミダゾラム傾眠・鎮静作用の増強
カピステン筋注ケトプロフェン胃障害・腎障害の増強
キシロカインリドカインけいれんなどの中枢障害
リドカインの代謝阻害
トフラニールイミプラミン抗鬱作用の増強
セルセプトミコフェノール酸モフェチル胃腸障害
(用量制限副作用になる)
ザイロリックアロプリノール肝障害、剥脱性皮膚炎
汎血球減少、骨髄抑制

平田純生,門脇大介,成田勇樹,CKD患者で蓄積しやすい薬剤使用の留意点
薬局 2012 Vol.63 No.10 3061-3066から引用 一部改変

アセトヘキサミドやクロルプロパミドなど
あまり使われない薬は削っている。

重度腎障害でどうしても速効性インスリン分泌促進薬を使いたい場合は
グルファスト(ミチグリニド)
SU剤ならアマリール(グリメピリド)かグリミクロン(グリクラジド)が
活性代謝物がないか、活性代謝物に活性がないようだ。

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尿の大まかな組成と尿浸透圧

1日尿量が1.44Lと仮定すると


1日排泄量濃度モル濃度
Na170mEq118mEq/L118mmol/L
K50mEq35mEq./L35mmol/L
Cl170mEq118mEq/L118mmol/L
尿素窒素10g6.94g/L247mmol/L
クレアチニン1000mg69.4mg/dl6.13mmol/L



この表のモル濃度の総和は、524mmol/L→524mOsm/Lとなる。

さらにこれ以外に尿酸、ブドウ糖、リン酸、硫酸、その他の物質が存在するので
尿浸透圧は600~700mOsm/Lとなる。
すなわち、尿比重は、1.010→350mOsm/L、
1.020mOsm/L→700mOsm/Lなので、
通常の尿比重は1.015~1.020になる

今井裕一,酸塩基平衡、水・電解質が好きになる,羊土社,2007pp89-90から引用 一部改変



言葉遣いなどは大幅に改変しています。

ラシックスを投与すると何故尿が低調になるのかが最近の疑問。

ネットで調べていると尿中ナトリウム濃度の基準値(正常値)を知らなかったことに気づいた。

ググっても尿の組成やナトリウムの正常値がはっきり出て来なかったので載せておく。

しかし、尿細管でNaの再吸収を阻害するラシックスを投与すると
何故逆に尿浸透圧と尿中ナトリウム濃度が低下するのかはまだわからない。

Naの排泄が増えると尿中ナトリウム濃度と尿浸透圧は
上昇するはずだと考えてしまう。
ラシックスが作用するヘンレ係蹄の上行脚は元々水の吸収がほとんどないところだし

まだまだ基本的なことがわかっていない。

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