一番嫌な仕事

病院薬剤師の仕事というブログにデュロテップMTパッチの適正使用について記事が載っていた。
http://reboundex.blog100.fc2.com/blog-entry-398.html

ヤンセンのHPの適正使用のお願い
http://www.janssen.co.jp/info/20100722_DrtMT.pdf

普通じゃ考えられない「トンデモ処方」な症例もある。
症例1はオピオイド初回投与でデュロテップ8.4mgを貼って、
2時間様子観察して帰宅させている
デュロテップMTパッチの最高血中濃度は30~36時間(添付文書)なので、
医師は麻薬初回投与で注意を払ったのかもしれないが、
注意するべきなのは投与後数時間の様子ではなく投与量だったと思う。

もし2.1mgなら経口モルヒネ30mg前後だから呼吸抑制が起きることは少ない。
様子観察するにしてもTmaxが30~36時間なので
2日間は入院させてないとダメな気がする。

病院薬剤師として働いていて一番「嫌だなぁ・・・」と思うときは
医師のトンデモ処方(トンデモ指示)をどうやって修正するか考えているときだ。
「間違ってますよ」というのを柔らかく伝えないといけない。

特に常勤ではなく非常勤の医師だと人柄がわからないのでめっちゃ緊張する。

例えばアダラートカプセル舌下の指示がでたとき。

当院は採用してないが、その指示自体に「おいおい今時舌下ですか・・・」的な、
ことを思うがそれをそのまま伝えるわけにもいかない。
最低限アダラートLにしてもらいたいのでどうやってその指示に変えてもらうか、
ちゃんとした言葉遣いと自分が適切だと思う根拠の伝え方を考えるのに一苦労。
たいがい上手くいくが、精神的には疲れる。

あと個人の倫理的にどうかなぁと思うような処方も困る。

例えば発熱にメチロン注の指示。
メチロンが禁忌ではない症例でも
もっと適切な薬物(アセトアミノフェン座薬など)があるとしたら
医師に助言するかどうか数秒~数分くらい迷うと思う。

このように間違いではないが医師に言うのがなかなか難しいような指示は
医師に助言するかしないか迷うときがある。
この言うか言わないかの閾値が自分の忙しさ、疲れ具合などによって
変わることがあるので確固たる信念と根拠の把握が必要だ。


2010/8/4 追記

緩和ケア医の日々所感というブログにデュロテップパッチのことが載っていた。
http://blog.goo.ne.jp/e3693/e/b5fb646fcacb05d1d9e909967af14b83
オピオイド未投与の患者にデュロテップMTパッチ換算で33.6mgを投与して、
呼吸抑制が出なかった事例もあるらしい。
私はデュロテップMTパッチ8.4mg初回投与で「極端な」例だと思ったが、
狭い範囲の知識で考えただけで、
実際は行われるようなことなんだろうか。

何年か前に国立がんセンターの服部政治Drの研修会を聞いた。
そこではオピオイドの感受性は人によって違うので、
痛みが強い(強そうに見える)からオピオイドが大量にいるかというと、
そうでもないので慎重に投与したほうがよいという内容が出てきた気がする。
自分はそのときの知識を引きずって判断していた。
もしかすると勘違いかもしれないが。

医療って覚えたことと反対の内容を後から学ぶことが多い。
「これは絶対そうだ!」と決めてかかったときほどそういうことがあるので、
謙虚にいかないとな・・・。



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