サンドスタチン(オクトレオチド)の配合変化

日病薬誌11月号にサンドスタチンの配合変化に関する論文が掲載されていた。

花村美帆,佐々木裕美,大井一弥,澤部公子,輸液中におけるオクトレオチドの安定性,日病薬誌 第46巻11号 (1501-1504) 2010

生食、5%ブドウ糖、乳酸リンゲルは大丈夫。
それにビタミン製剤もしくは微量元素製剤を加えると、
オクトレオチドの含量低下が経時的に起こるという結論。

低容量サンドスタチンは基本的に皮下注用だけど、
なんだかんだいって静注のほうが投与しやすい。

研究の詳細はほとんど省くが
微量元素製剤はニプロのミネリック-5 0.2mL分(1/10A)、
ビタミン製剤は第一三共のビタメジン(リン酸チアミンジスルフィド107.13mg等) 1/10V分

サンドスタチン注50μg1mLを各種溶解輸液10mLに加えたものを、
50mLの遮光していないガラスビーカーに入れ、
それぞれの肺臓薬剤を混和、室温、散光下で放置

結果は下記のようになったらしい。

サンドスタチン配合変化

今回の配合試験の結果から考えられることは、
日常繁用されている静注用の複合ビタミン剤(VB1、VB6、VB12)には活性型の、
チアミンジルスフィド(ーSーSーを介して2分子のリン酸チアミン)が含まれているため、
オクトレオチドとの相互反応が推察される。
また輸液用微量元素製剤(Fe,Cu,Zn,KI)においては、
主役との金属錯体の形成の可能性がある。

花村美帆,佐々木裕美,大井一弥,澤部公子,輸液中におけるオクトレオチドの安定性,日病薬誌 第46巻11号 (1501-1504) 2010より引用



金属錯体を起こしやすい官能基として

一般に薬剤の構造内に
水酸基(OH)、カルボキシル基(COO-)、
カルボニル基、ケトン基(>=O)、
リン酸基(ーOPO3)、チオール基(ーSH)、ジスルフィド基(-S-S-)
アミノ基(-NH2)、2級アミン(>NH2)
などの形で存在するO,SおよびNは、金属と結合しやすく(配位結合)
金属との相互作用を起こしやすい。

AlMgはOに、重金属(Cu,Zn,Hg,Pb)はS,Nに,FeはN,Oに
また、CaはOに親和性が高いと考えられる

杉山正康(2010),薬の相互作用としくみ,医歯薬出版,33ppより引用一部改変



このように本に書いてある。

微量元素製剤のキレート形成は有り得そうだ。
オクトレオチドの構造式には水酸基も複数ある。

オクトレオチド



IVH(TPN)に混注される場合もあるようだけど、
微量元素とビタミンが両方入っているので含量低下は
起こるだろうな。

今回はビタミンB1含有量が多い製剤(チアミン100mg)で試験してあるが、
TPN用の製剤は大体がチアミン3mgくらいなので、
それだともう少しオクトレオチドの含量低下はマシになる可能性があるかもしれない


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