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マクロライドはグラム陽性菌の耐性を共有している

先日の記事でコメントに質問が上がったため出典を残しておきます。

1つのマクロライドに耐性を持ったグラム陽性菌は
他のマクロライドにも同時に耐性を持っています。

マクロライドはグラム陽性菌の耐性を全てシェアしています。
どういうことかって?
つまり、いったんエリスロマイシンに
A群溶連菌の耐性ができてしまうと、
それは同時にクラリスロマイシンやアジスロマイシンへの
耐性の獲得を意味するのです。

エリスロマイシンが効かないから、
アジスロマイシンというのは愚かな選択肢なわけです。

日本でのある研究によると、小児のA群溶連菌の60%はマクロライドに
高度耐性があったそうです。
米国のガイドラインにはペニシリンアレルギーのある患者さんに対する
A群溶連菌の治療はマクロライドが第一選択ですが、
これは日本では当てはまらないように思います。
日本のドクターが使い過ぎたマクロライドのツケが
ここにまわってきているのですね

岩田健太郎,宮入烈(2006),抗菌薬の考え方・使い方 ver2,中外医学社,pp498より引用 一部改変



重要な点として
「1種類のマクロライドへの耐性があれば、基本的に他のマクロライドについても耐性」
と考える必要があります。
特に日本国内ではマクロライド耐性の肺炎球菌が70%程度あるため、
市中肺炎で肺炎球菌をか習うカバーすべき場合、
マクロライド単剤では治療に失敗する可能性があります。

大野博司(2006)感染症入門レクチャーノーツ,医学書院,pp188より引用



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tag : 薬の豆知識 抗菌薬

コメント

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教えてください

グラム陽性菌がマクロライドの耐性をシェアするのは事実なんでしょうが、そのメカニズムをもう少し詳しく教えてもらえませんか?

コメントありがとうございます

メカニズムは私も存じ上げませんでしたが、
ネットにヒントのようなものがありました。

http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/031225html/index_2.html

上記から転載いたします

まずermと呼ばれる耐性遺伝子を保有する菌株の場合、
細菌がsubMIC濃度のCAMやAZMと接触することで薬剤の標的となる23S rRNAのアデニンをメチル化する酵素、
アデニン・ジメチラーゼによって23S rRNAの領域Vのアデニンを次々とメチル化します。
するとメチル化された23S rRNAに対しては最早CAMやAZMは結合できなくなり、
耐性を獲得する訳です。
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