ラピアクタに耐性ウイルス出現とワクチンのことなど

感染症研究所と横浜市衛生研究所は2月18日、インフルエンザウイルスA(2009/H1N1)に感染し、
ペラミビル(商品名ラピアクタ)による治療を受けた5歳児から
ペラミビルとオセルタミビル(タミフル)に対する感受性が低下した
H275Y耐性ウイルスが検出されたと発表した。
感染症研究所と全国地方衛生研究所による
抗インフルエンザ薬耐性株のサーベイランスで
ペラミビル投与患者から耐性ウイルスが検出されるのは初めて。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201102/518610.html



抗菌薬、抗ウイルス薬は基本的に使えば使うほど耐性の病原体を増やす確率が上がる。

青木眞Drの「You use it,You lose it」は、
常に考えないといけない問題だと思っているが、
メーカーはおかまいなし。

どんどんラピアクタ使ってくださいとでも言わんばかりの宣伝。

ラピアクタの説明会ではタミフル投与後に亡くなった患者さんの症例が出てきたが、
その症例だけみると「インフルエンザって危ない、ラピアクタ投与しないと!」と
考えるかもしれないが、

実際にその確率を考えてみると去年の感染者が数千万人くらいらしいので、
数千万分の1~数百万分の1。
そのものすごく低いリスクを考えるんだったらラピアクタ投与してショックを起こすリスクも
考えて患者さんに説明しないといけないんじゃないかと思ったり。

ラピアクタやクラビットのような「切り札」こそ
とっておきにしておかないと、後から痛い目に会うのは患者さん。

岩田健太郎Dr、青木眞Drの本やブログなど色々読んでいると、
インフルエンザ簡易キット陽性=抗インフルエンザ薬処方
という診療に疑問を感じる。
学会の方針に従わないと訴訟になったときに医師はとんでもないことになるが、
そこで抗インフルエンザ薬投与しまくっても結局割を食うのは患者さん。

タミフル早期投与が日本の新型インフルエンザ死亡者を減らしたというニュースがあったが、
それは一概に言えないと岩田健太郎Drはブログに書いている。

おおざっぱには、日本における発症患者中の死亡率は10万人に1人、
つまり0.001%程度とされています。アメリカは20倍の0.02%。
相対リスクだけみているとわかりにくいのですが、
インフルエンザはいずれにしても死亡率の低い疾患であることが分かりますね。
絶対リスク減は0.02-0.001=0.019。NNT(number needed to treat)は5200人以上くらいになります。
 つまり、日本人死亡者減の貢献を100%タミフルに帰したというかなり非現実的な仮説を立てたとしても、
5000人以上処方しないと1人の命を救えないのです。

早期受診とか国民皆保険とか、他の様々な要素が絡むでしょうから、現実にはNNTはさらに増えます。
では、タミフルの副作用、耐性、コストといったリスクを勘案して、
この(少なくとも)5000人以上という数字は正当化されるでしょうか。

http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-4001.html


内科開業医のお勉強日記にこんな記事もあった。
NHK誤報?煽動記事:迅速診断陰性でも抗インフルエンザ薬使用しろと!
http://intmed.exblog.jp/11961934/

本剤の投与にあたっては,抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の
全ての患者に対しては必須ではない
ことを踏まえ,
患者の状態を十分観察した上で,本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。
2. 本剤は点滴用製剤であることを踏まえ,
経口剤や吸入剤等の他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を十分考慮した上で,
本剤の投与の必要性を検討すること。

ラピアクタ添付文書より


と、ちゃんとラピアクタの添付文書に載っているが、
製薬会社は絶対説明会でこれを言わないだろう。

インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、
本剤の予防使用はワクチン療法に置き換わるものではない


タミフルの添付文書にも載ってる。

インフルエンザワクチンはワクチンの中では比較的効かないワクチンと言われているみたいだが
それでもワクチンを受けることって重要(特に医療従事者)。

職場でもおたふくかぜのワクチンを子供に打たない人が結構いるけど、
打つのは病院に行く手間と数千円の接種量、無菌性髄膜炎のかなり低いリスク(1/1200?)があるだけ。

実際子どもがおたふくにかかったら子どもがしなくてもよいはずの苦しい思いをして
自分は何日も有給使って職場の人に迷惑かけて、
結局いろいろな面で大損してるように見えた。

そして自分の子供にB型肝炎ワクチンを打とうとしても、
打てる医療機関が簡単に見つからないのが悩み。
僻地だからか?

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