Ca拮抗薬の比較

※詳しく論文を読んでいませんが
おそらく小規模な研究が多いため、内容の解釈にご注意ください。


薬局4月号は血圧・血糖・脂質マネジメントがテーマだった。

DHP系Ca拮抗薬について記事があったのでまとめ

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は
L型カルシウムチャネルをブロックするが
T型、N型をブロックする作用がある薬剤がある。

ニフェジピン(アダラート)→L型のみ
アムロジピン(ノルバスク)→主にL型
エホニジピン(ランデル)、ニルバジピン(ニバジール)、アゼルニジピン(カルブロック
→L/T型
ベニジピン(コニール)→L/T/N型
シルニジピン→L,N型

N型Caチャネルを遮断すると
交感神経終末からのノルアドレナリン(NA)の分泌を、抑制する。
ノルアドレナリン(NA)の分泌を抑制することで、
血管収縮(血管平滑筋の収縮)を抑制し、
また、心収縮力の増加や、
心拍数の増加を、抑制する(ストレス性昇圧を抑制し、降圧作用を示す)。
http://hobab.fc2web.com/sub4-channel.htm




L型とL/T型は腎臓の微小血管への作用が異なることが知られており、
L型は主に糸球体の輸入動脈を拡張し、L/T型は輸入動脈と輸出動脈両者を拡張する。


L/T型Ca拮抗薬は糸球体高血圧を改善し、
抗炎症作用などの非血行動態機序を介した腎保護作用を有することも知られている。
Keio J Med 2010 Sep; 59(3):84-95.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20881449


L/T/N型
ベニジピン(コニール)


ベニジピンはL型CCBの代表であるアムロジピンと比較すると
高血圧合併のアルブミン尿を有する早期-中等度CKD患者において降圧は同程度だが
アルブミン減少、尿中アルドステロン値低下、尿中Na/K比低下が有意であることが
報告されている
Abe M et al,Hypertens Res ,34(2):268-273,2011

異型狭心症にたいして、最近ベニジピン、アムロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼムの4剤比較の
メタ解析ではベニジピンがほかの3群よりも有意に予後が良いことが報告されている。
Nishigaki K et al、:Circ J,74(9)1943-1950,2010

L/T型
アゼルニジピン(カルブロック)


臓器保護作用、抗炎症作用が注目されている。
佐賀大学のグループは、
以前からアゼルニジピンを高血圧患者にアゼルニジピンを
4週間投与するだけで
炎症マーカー、酸化ストレスマーカーが低下し、
さらに細胞培養の系でも正常の人の単核球にアゼルニジピンを付加すると
炎症性サイトカインの酸性が低下することを報告している。
Komoda T et al:Clin Exp Hypertens,32(2):121-128,2010

ARBを既に投与中の血圧管理不良高血圧合併早期CKD患者にアムロジピン、
アゼルニジピンを投与し、血中AGE(終末糖化産物)への影響を検討した。
アムロジピン投与6ヶ月後には血中AGE値は全く変動しないが、
アゼルニジピン投与6ヶ月後は有意に低下した。
AGEは動脈硬化進展に関与するので、
このことによりアゼルニジピンがCKD患者の心・血管イベント抑制に繋がる可能性が示唆された。
Nakamura et al:Am J Med Sci,339(2):157-163,2010

エホニジピン(ランデル)
高血圧と腎症を合併する糖尿病患者にエホニジピン、アムロジピンを投与すると、
腎機能、酸化ストレス、血管効果に関してエホニジピンがアムロジピンよりも
有意に抑制することや、高齢者高血圧合併CKD患者へのエホニジピン投与は
有意な腎機能改善+心・血管イベントを抑制することが報告されている。
Sasaki H et al:J atheroscler Thromb,16(5):568-575,2009
Hayashi K et al:Hypertens Res,33(11):1211-1220,2010


L/N型
シルニジピン(アテレック、シナロング)


多量の蛋白尿を有する高血圧患者にシルニジピン、アムロジピンを投与し
24時間蓄尿による蛋白尿の変化を検討している。
48週間後の比較では、
シルニジピンはアムロジピンよりも有意に蛋白尿を抑制した。
Miwa Y et al:Clin Exp Hypertens,32(6):400-405,2010



アムロジピン以外のCCB
ベニジピン=コニール(協和発酵キリン)
エホニジピン=ランデル(日産化学とゼリア新薬)
アゼルニジピン=カルブロック(宇部興産と三共)
シルニジピン=アテレック(味の素)

調べてみたら、どれも国産だった。
だから大規模臨床試験がないのかもしれない。

ベニジピンなんて薬理作用だけ見たら相当良さそうに見えるが
薬理作用と臨床効果は乖離していることがあるので鵜呑みにはできない。

なんと言ってもノルバスクの絶大なシェアがあるので、
あまりこれらの薬が処方されている例を見ない。
アムロジピンは降圧効果、持続時間、脳卒中予防が確実だし相互作用が比較的少なく、
使いやすい薬剤ではある。
カルブロックは相互作用が多くて若干使いづらいかもしれない。

コニールやアテレックは相互作用もさほど多くなく、
ジェネリックも発売されているので、
特に腎障害の患者さんには選択してもいいような感じがしてきた。

ランデルはいいかもしれないが
シェアがかなり少なそう・・・。

↓医薬品・薬剤師に関するブログランキングです。クリックしていただけるとやる気が出ます。
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
人気ブログランキングへ




関連記事

テーマ : 薬・医者・病院等
ジャンル : 心と身体

tag : 薬の比較 降圧薬

コメント

非公開コメント

製造元

いつも拝見しております。
細かいことで恐縮ですが、
エホニジピンは日産化学が合成し、ゼリア新薬と共同開発したものです。その後塩野義と併売するに至っています。
宇部興産と三共はアゼルニジピンですね。

コメントありがとうございます

ご指摘の通り間違っていましたので、
修正致しました。
ありがとうございます。

今回調べてみて意外に国産のCCBが多いと感じています。

国産のCCBも
塩野義創薬のクレストール、三共のメバロチン、日産化学と興和のリバロみたいに
ローカルドラッグの域を超えてシェアを伸ばしてくれると頼もしいんですけどねぇ。

ちゃんと調べてないですが国内も海外も現在はアムロジピンが一番シェアが多そうですね。

国産のカルシウム拮抗薬

国産のCCBは確かに多いですね。ただ発売当時で既に6番手か7番手くらいだったので、海外に打って出ようという意志がなかったのでしょう。それでも10番目くらいに出たアムロジピンがシェアを伸ばしたのは驚異的です。
国産品が、これから海外展開するのは少し厳しいかもしれません。
N型に作用するものは、下肢浮腫の軽減が見込まれて面白いと思うのですが。

そういう事情があったんですね。

全く知らなかったので興味深いです。
ノルバスクよりコニールの方が先に発売されていたのに
現在は仰るとおりアムロジピンが圧倒的なシェアですね。

宣伝や臨床試験を行う金銭的な体力がファイザーにあったため、
エビデンスを積み上げてシェアを伸ばしていったのかな。

今回の記事を読んでからはN型やT型を遮断するCCBは
もう少し使い出があるんじゃないかと考えるきっかけになりました。

現在の院内採用はアムロジピンとアダラートCRしかないですが・・・。

カルシウム拮抗剤

はじめまして。
ノルバスク、アムロジン、アダラート、ヘルベッサー、ニバジール、アテレック、ランデル、カルブロックはあるようですが見たところペルジピン、ヒポカ、バイミカード、バイロテンシン、カルスロット、スプレンジール、ムノバールはここにはないようですね…。

それの比較はどうでしょうか…。
ノルバスクはアムロジンと同じようですがノルバスクよりアムロジンのほうが多い傾向があるみたいで、抗がん剤のノルバデックスとの取り違えに配慮してでしょうか。

はじめまして

コメントありがとうございます。

確かにペルジピン等の比較は今回の参考にした記事に載っておらず、
記載をしていませんでした。

それらの情報もわかると面白いのですが
自分の働いている地域の医師が出す処方では
記事内の薬剤がDHP系Ca拮抗薬の90%以上を占めている印象があり、
調べるインセンティブがあまりなかったりします。

先発のノルバスクとアムロジン、うちの地域ではノルバスクが多い印象がありますねー。
ノルバスクとノルバデックスもアマリールとアルマールなどのようにどちらかが名前を変えてほしいと思います。
抗癌剤と降圧剤間違えるとリスクが大きいので。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

参考になる

とても参考になりました。前線の臨床医はこうした差を実感することは難しいので、降圧を主眼に処方してしまいますね。アムロジピンは降圧の費用対効果が優れており、副作用が少ないので使いやすい。
 実臨床ではコニールは手応えが遅いので、あまり使いません。古くても新しい降圧剤としてもっとPRが必要と思います。

コメントありがとうございます。

アムロジピンは仰るとおりだと思います。
私の医療機関でも
ほとんどの患者がCCBならアムロジピンですね。

コニールは実際に使用したことがないので参考になります。

安くなった薬はメーカーもPRしないのが歯がゆく感じています。

β遮断薬、ACE阻害薬、バイアスピリン、ワーファリンなど
普段一番使用する薬や、ガイドラインで推奨されているような薬剤のことを
まず知ることが必要だと思っています。
カウンタ
プロフィール

p-loop

Author:p-loop
僻地の小規模病院の薬剤師です。


twitterIDはploop700
現在、相互リンクと
アフィリエイト依頼は
受け付けておりません。

全記事(数)表示
全タイトルを表示
人気記事ランキング
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
タグ

日記・雑記 レビュー 薬の豆知識 ジェネリック医薬品 気になる記事 薬価 薬の要点 緩和ケア 薬の比較 便利 降圧薬 腎機能と薬物治療 鎮痛薬 抗菌薬 漫画 ジェネリック医薬品メーカー 医療用麻薬 インターネット 雑誌「薬局」 利尿薬 アンケート 脳梗塞治療 音楽 調剤 日病薬誌 新薬 ステロイド 薬物動態 android お得 抗うつ薬 喘息・COPD エクセル 輸液 抗不安薬 薬剤管理指導 ローカルドラッグ 糖質制限 院内感染対策 薬の感想 ACCESS 医薬品の価格 糖尿病 病院機能評価 名前の由来 宮崎県北部 ハイリスク薬 お金 薬の管理 腎機能 ボクシング 簡易懸濁法 医療安全 院内感染 ワクチン Android 抗血小板薬・抗凝固薬  育児 テレビ ゲーム 点眼薬 配合変化 

最新コメント
*iphone アプリ 開発
*太陽光発電 ブログパーツ by Google Fan