偽善の医療 レビュー

岩田健太郎Drのブログで紹介されていたので読もうと思っていて
なかなか読まなかった本。

人情を倫理よりも上位だと語る医師の本
感情を込めて書かれており読みやすいしめちゃくちゃ面白い。

気になったところを抜粋


・桶川ストーカー事件で埼玉県警は
警察の捜査ミスによって防げたはずの被害者の殺害を防げなかったことが、
客観的事実によっても立証されているが、
県警自ら認めている、すなわち「白状」しているはずである。
どうして彼らが業務上過失致死に問われないのか?

・紹介先も、紹介元も「中堅」どころが一番よい。
中堅というとなんとなく物足りない、とおっしゃるか?
ではお聞きする。
私は会社勤めしたことがないのでよくわからないが、
あなたの会社で、最も頼りになるのは、
もしくは最も働いているのは、新入社員なのか、
社長や会長なのか、それとも中堅社員なのか。
あなたが中堅社員だったとして、社長さんに、今のあなたの仕事ができるのか?
(中略)患者の立場からすると、今して欲しいのは
「社長さんとしての仕事」ではないはずである。

・私の先輩の外科医はこの名医ランキングに載ったとたん
親類縁者から尊敬されたといっていた。
きわめて温厚なその先生が、そのときは珍しく声を荒げて
「自分は今まで一生懸命やってきてそれなりの自負もある・
そんな馬鹿げた記事でいまさら見直したといわれるのは心外だ」と吐き捨てていた。

・甲状腺がんや乳がんは5年以降の再発も多いので、
十年生存率なども用いられる。
本当は十年以降の再発も珍しくないので、
二十年生存率くらいが正しいのかもしれないが、
診ている医者のほうが先に死んだり
ボケたりする恐れが強いので実用的でない。

・本当に進行が早い癌は検診の意義が少ない。
一番端的な例を示せば、急性白血病が健診で
発見されたというような例はほとんどないと思う。
健診の血液検査でひっかかるとしたら、
数年の経過を示す慢性白血病である。
何故か。要するに進みが早いために
「早期で」発見できる可能性が少ないからである。
発見できたときには打つ手が限られているので、
検診の意義がない。

・人体実験は、医療とは関係のない
犯罪の範疇に入るものではあろうが、
第二次世界対戦後も米国で、
患者に説明もせずもちろん了承もとらず
試験を行ってでータをとる、というようなことが行われた。
最も悪名高いものの一つは、
1932年から40年間にわたり、米国で黒人の梅毒患者を
何の説明もなしに無治療で、
その進行する経過を観察していったタスキギー事件である。



この他にもがん(主に肺がん)の特徴や、
統計の解釈について書かれている。
それらの記載も目から鱗で
読んでよかったと思う一冊だった。

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